マンガ大賞受賞「葬送のフリーレン」の魅力とは 選考委員コメント
マンガ好きの有志が運営する「マンガ大賞2021」が16日、発表され、大賞は原作・山田鐘人氏、作画・アベツカサ氏の「葬送のフリーレン」が91ポイントを獲得し、受賞した。
「週刊少年サンデー」で連載されている同作は、エルフの魔法使い・フリーレンが主人公。魔王を倒した勇者のパーティーの一員だったフリーレンが、年老いた仲間たちを訪ねながら旅をするファンタジー物語だ。「勇者、戦士、魔法使い、魔王、エルフ」と、RPGなどではすっかりおなじみとなった、ある種“ベタ”な世界観の中で、人よりもはるかに長寿なエルフのフリーレンが、人の思いに触れる姿が丁寧に描かれている。
ハデなバトルよりも、人間の物語に重点が置かれている。選考委員のコメントでは「命のはかなさもあり、切なさもあり、それでいて優しさや温かさもある」「雄大な時間の流れの中での人間の小ささと、それ故の輝きをゆっくりと掘り起こして見させてくれる」「エルフの時間軸で語られる作品は初めてで、すごく新鮮」と、ファンタジーに埋没しない、物語の深みが高く評価された。
マンガ大賞の選考対象は、前年の1月1日から12月31日に出版された単行本の内、最大巻数が8巻までの作品。選考対象には電子書籍(最大巻数が8巻相当までの作品)も含まれる。
なお、最終選考ノミネート作品と獲得ポイントは以下の通り。
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「チ。-地球の運動について-」魚豊氏(67ポイント)
「カラオケ行こ!」和山やま氏(64ポイント)
「水は海に向かって流れる」田島列島氏(60ポイント)
「【推しの子】」原作・赤坂アカ氏、作画・横槍メンゴ氏(59ポイント)
「怪獣8号」松本直也氏(58ポイント)
「女の園の星」和山やま氏(57ポイント)
「メタモルフォーゼの縁側」鶴谷香央理氏(48ポイント)
「九龍ジェネリックロマンス」眉月じゅん氏(46ポイント)
「SPY×FAMILY」遠藤達哉氏(38ポイント)