「新劇場版エヴァンゲリオン」ネタバレをめぐる複雑な思い…見終わってもつぶやけない
3月8日に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。公開から1週間で219万人を動員、興行収入は33億を突破しているが、この勢いはまだまだ続きそうだ。完結まで長期に渡ったこともあり、特別な思い入れを持ったファンが多い印象のエヴァシリーズ。それは今作でも変わっておらず、皆の愛が強すぎるがゆえ、SNS上ではちょっとした「異変」が起きている。
「エヴァをミュートワードにした」「映画を見終わるまでSNSを開かない」さらには「見終わるまで外出を控える」といった、ネタバレ対策を行うユーザーが大量発生したのである。私も長らくSNSを利用しているが、ここまで大きなムーブメントとなったネタバレ対策は記憶にない。
では実際に、ファン達の努力は実を結んだのだろうか。公開から7日後の3月14日に映画館に足を運んだ女性(20代)に話を聞いた。中学生の時に「新・劇場版:序」を観て以来、14年来のファンだという彼女はネタバレ対策として、「SNSをさかのぼらない」「エヴァ関連のワードを見たら飛ばす」といった、ライトな対策を取っていたとのことなのだが…。
「ストーリー上のネタバレはありませんでした。ですが直接エヴァには触れていない投稿でも、テンションの高低によって、その人の好きなキャラがどうなるのか察しがついてしまったことが、ある種ネタバレと言えるかもしれません。実際映画を見て、やっぱりそうか…となるところはありました」
結局、関連ワードをいくらミュートにしてもキリがないということか。
公開初日に映画を観た男性(30代)にも話を聞いてみた。彼は中学1年時に友人に借りたTV版エヴァのビデオを観て以来のファンでアスカ信者。初日に観たのでネタバレもなく無事に作品を堪能できたという彼だが、こちらはこちらで苦しみがあるようで…。
「色々と感想を言いたいのですが、これってもしかしてネタバレになっちゃうかな?と考えてしまい、なかなか自由に喋れないです。ネタバレ解禁はいつ頃からなんでしょうか…」
見終わっても自由に感想もつぶやけない…なんと恐ろしい同調圧力だろうか。
とはいえ、こうやってファン同士で気を遣いあって、みんなが楽しめるようにする助け合いが行われていることは、なんとも微笑ましいことだ。
ストーリーの結末に対してさまざまな意見があるようだが、できるだけネタバレされることなくシリーズ計25年間の締めくくりを体感し、それぞれの十代を終わらせて欲しいと願ってやまない。(じゅんぺい丸)