日本人も参加“中国版プデュ”「創造営2021」 アクセス急増、日本語字幕も一緒に育てる
中国制作の動画配信サービス・WeTVで放送されているグローバルアイドルオーディション番組「創造営2021」に、17名(うち1名は途中辞退)の日本人が参加中だ。WeTVは番組の放送開始に合わせて日本語字幕に対応し、多くの日本人視聴者を獲得している。同サービスのPRを担当するエーランド株式会社の安田加奈子氏は「(視聴者と)一緒に育てていくような感じで作っていければ」と語った。
WeTVとは中国・テンセントビデオの海外向けブランドで、2018年からサービスを開始。コンテンツは主に中国で制作されたバラエティー番組やドラマで、日本のみならず東南アジアでも親しまれてきた。今回、日本人が多く出演する「創造営2021」が2月に放送開始されたことに合わせて、1月から日本語の字幕が表示されるようになった。
スタートしたばかりの日本語字幕は日々進歩中だ。SNSでは翻訳の表現が「ヘンテコ」「オモシロ」などと話題になった。安田氏は「日本人にとってわかりやすい翻訳ができているとは(思わず)、まだこれからだと思っている」と語る。視聴者が字幕の訂正を提案できるフィードバック機能も設けた。「1回出したらそれで終わりというよりは、日本のみなさんと一緒に育てていくような感じでうまく字幕を作っていければなと思っています」と、視聴者から愛されるプラットホームを目指す。
字幕制作は中国内で行われている。スタッフは現地で採用され、日本語が堪能なだけでなく、中国語の能力や両国の文化への理解度も重視された。毎週更新される「創造営2021」は各話とも1~2時間超の長編。撮影後、数日間という短い期間で編集されており「かなりタイトな期間での翻訳作業になるので、何人ものメンバーでやっている」という。
最新話公開時には編集が追いつかず一部に字幕が付いていないことも。ファン投票のあるリアリティー番組ではリアルタイムであることが重視されるからだ。「取りあえず時間通りに一回出して、そこから修正対応していくように進ませていただいている」。日本向けに新たに開設したSNSでは更新が遅れる旨のお知らせをしたり、字幕の不備を受け付けたりするなど、視聴者と近距離でコミュニケーションを取っている。
「(WeTVに限らず)中国は時代の変化が非常に激しい国でもあるので、100%を目指しつつも、今このタイミングで出してフィードバックをもらいながら完成度を高めるみたいなお国文化があるのかもしれないです」と安田氏は分析する。
日本語対応の甲斐あってか、日本の視聴者数は「ものすごく増えた」という。「創造営の1話、1話を終えるごとにどんどんアクセスが増えている。日本の伸びはすごいと日々、中国はざわついています」と笑顔で語った。(デイリースポーツ・今井佳奈)
◆創造営2021とは
WeTVが制作・配信を手掛けるアイドル育成番組。「-2021」では90名の練習生が参加し、視聴者による人気投票を経て上位11名がデビューする予定。最終回は4月24日を予定している。日本からの出演者には、10代からアイドル活動をしてきた羽生田挙武や日本のオーディション番組に出演経験のある井汲大翔、WARPs UPメンバーでダンサー・振り付け師としても活動してきた賛多と力丸、ボーイズグループ・INTERSECTIONのMikaとCaelanなどがいる。さらに、モデルのKoki,も特別応援ゲストとして参加している。