Z世代バイヤーによるZ世代向け売場がオープン 基本NGなし!阪急が若手抜擢で新たな試み

阪急うめだ本店(大阪市北区)が3月31日から、 Z世代(1990年後半以降に生まれた世代)を中心としたバイヤーによるZ世代向けの売り場「Something Good Studio」をスタートした。同店にプロジェクト開始の経緯を聞いた。

3階の婦人服売り場にオープンしたZ世代向けイベントスペース「Something Good Studio」を担当するのは4人の若手バイヤー。昨年10月に企画が発足し、入社3年目前後(当時)の4人が社内公募から選ばれた。通常は入社5~6年目からバイヤー業に携わることが多く、「阪急の中で3年目でバイヤーになるというのはなかなかない」という。

今までの百貨店に少なかった“Z世代が集まれる場所を作ろう”と考えられたプロジェクト。ファッションだけでなく植物やインテリア、アニメ、ピラティスなど個性豊かな趣味を持つバイヤーたちは「いろんなところに興味関心を持っているというのが期待するポイント。その分アンテナを張れるので」(同店のディレクター)と活躍が期待される。

さらに同ディレクターは「バイヤーたちが『これはかわいいい、売りたい』と言うのであれば、基本NGは出さないようにしています」と明かす。今年入社4年目のバイヤー・ミズキ氏(25)も「思っていたより、そういう面(社内の他世代との摩擦)で苦労したことはなくて。上の世代の方たちがみんなサポートしてくださった。発言もいったん受け入れてくださって、そういうのはすごくよかったなと思いました」と話した。

ミズキ氏は入社以来、紳士服飾雑貨の販売を担当してきた。「もっといろいろやりたいなというのがあって、ここのイベントスペースではバイヤー業から販促や販売まで、一通りできるのが魅力だなと思って手を挙げました」と振り返った。

Something Good Studioでは1~2週間ごとにテーマを変え、毎回異なるクリエーターの商品を販売する。ミズキ氏ら4人のバイヤーがブランドやクリエーターの選定から商談、売り場のレイアウトや販促、店頭での接客までを一気通貫して担当している。

取材時(4月上旬)に商品が販売されていたZ世代のクリエーター「WAN_TAN」はミズキ氏が「ずっとインスタグラムで見ていて、かわいいなと思って」と目をつけたものだ。Z世代の傾向を「自分のやりたいことを表現したりとか、何かを作っている人に共感するのかなと思って。そういう人の生活スタイルやファッションに憧れて、その人が作っている物だからいいと思ったり、共感したりする気持ちが強いのかなと思いました」と語った。

インスタグラムでの発信も活発だ。売り場の公式アカウント(@hankyu_sgs)では、こまめな更新の他にも、積極的にコメントへ反応している。SNSがきっかけで来店した人もいたといい、「『(売り場のアカウントを)フォローしてください!』って言ったら『もうしてます』って人も結構いて」と喜んだ。

21日からの企画では“田舎暮らし”をロマンチックに解釈した「COTTAGECORE(コテージコア)」をテーマにブランドが集められた。雑貨せっけんを展開する「Rily」のコールドプロセスソープや、スタイリスト・ゆりかでんがプロデュースする「Curlychou」のトートバッグ、おしゃピク(おしゃれなピクニック)にぴったりな「&lottie」のウエアなどの販売が予定されている(4月上旬時点)。最新の営業時間は阪急うめだ本店のホームページまで。

(よろず~ニュース・今井 佳奈)

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