カラテカ矢部「また名作ができちゃった」 大家さんの次はお父さん!新作漫画発売で

 お笑いコンビ・カラテカの矢部太郎(43)が17日、120万部を突破した『大家さんと僕』以来の新作漫画『ぼくのお父さん』を上梓した。絵本作家である父・やべみつのり氏(78)と自身の幼少期のエピソードを描き「また名作ができちゃった」と、手応えを口にした。

 のどかな東京・東村山を舞台に、ほのぼのとした絵柄がノスタルジックな郷愁を誘う。初のオールカラー。「思った以上の出来で、また名作ができちゃった」と話しつつ「自然に描きたいものを見つけられて、もう一作描けた。これからも描けるかなあと思います」と、漫画家として新たな自信を得たようだった。

 『かばさん』『ふたごのまるまるちゃん』などの作品がある父は、いつも家にいた。母が大黒柱として働いていた。今作に取りかかる際、父が残した当時の絵日記を読み直した。「毎日遊んで、つくし採りに行って、絵を描いたり工作したり。たまに編集者に絵を見せては駄目だった…という内容でした。思った以上に働いていなかったけれど、本人はいつも『忙しい、忙しい』と言っていました」。自身の記憶とともに、作品に生かした。

 1999年、外国語習得のため半年ほどアパートに“監禁”されるテレビ番組の企画に参加した。父は相方のカラテカ入江とマネジャーから事情を説明を受けた。「しばらく家に帰れない、と聞かされたお父さんが、いきなり紙に何かを書き出して、2人は息子に向けた手紙なのかと思ったら『じゃ~ん、入江君とマネジャーさんです。持って帰って』と似顔絵を描いて手渡したそうです。それくらい何とも思っていなかった」。自由な子育てで、芸人の道に進む際にも反対されることはなかった。

 絵本作家の父から学んだことがある。「僕から見たら同じ絵を『線が違う』と何枚も描き直していた。こだわりが強くてキリがなかった。僕はデジタルで描いていて補正機能も使います。表紙を決められない時は10枚ほどを渡して、自由にしてくださいと言います。反面教師にしているかもしれません」と語った。その一方で「時事問題は入れない」という信条は受け継いでいる。「作中でファミコンではなくテレビゲームと言っているように、具体的な固有名詞はなるべく使わないようにしました。ノスタルジーを喚起させる作品では、固有名詞をバンバン使ってエモくする手法もあると思います。でも自分より年上や若い人にも読んでもらえるように普遍的なものにしたかった。決してノンフィクションではありません」と説明した。

 父からは「理想の父親みたいだね」と感想を言われ「全然そう描いていないのに…」と思わずうなった。だが果たして、父に続き絵本作家になる野望はあるのだろうか。「この出版不況でも絵本は落ち込みのない分野だと聞くので興味はあります。お父さんのように、何十年も出版され続ける作品がある。シリーズ化できるものを、当てにいきたいですね」。芸人の顔をのぞかせながら、そう話した。

■ 太郎は活躍しているけど、僕は成長していないなあ

  新潮社は17日、『ぼくのお父さん』出版を受けた、やべみつのり氏の談話を以下の通り発表した。

 親バカですが、よく描けているなと思います。自分で言うのもなんですが、つくづくへんな「お父さん」ですね。高度成長期に「全力でのらないぞ!」という気合いを感じます(笑)。自分の好きなことを、子どもと一緒にやっていたなあと改めて感じました。僕自身が子どもと楽しみながら、生き直していたように思います。子育てをされている皆さん、子育てを楽しんで、子どもから学んでください。子どもはみんなおもしろい!マンガとしても、シンプルななかにポエジーがあって、読者に想像する余地を残していていいなと思いました。幼い息子視点で父親のことを描いたのもユニークなんじゃないかな。お父さんの帽子は、電気スタンドのカサみたいで、ちょっと変だけど(笑)。締め切りを守らず編集者を困らせているところなどは今も変わっていないので、太郎は成長して活躍しているようだけど、僕自身は成長していないなあ

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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