「金スマ」中居の帽子も手掛ける老舗、ご当地アイドルとのコラボでコロナ苦境に活路
国内で新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから、1年半が経過。飲食店のみならず、あらゆる業界が苦しみ続けている。ファッションの街・神戸で創業81年を誇る老舗の帽子店「マキシン」も、過去にないほど大打撃を受けた。
それでも、生き残りをかけて必死に新戦略を考案。9月には神戸のご当地アイドル「KOBerrieS♪」と初めてのコラボを行い、6日発売の結成9周年シングル「恋ヲシタナツノヒ」の新衣装用に帽子を提供。新たな販路の拡大を目指している。
「マキシン」は1940年創業で、JR西日本の制帽などを手掛けている。ロサンゼルス、アトランタ、シドニーの各五輪では、日本選手団の制帽も担当。さらに、TBS系人気バラエティー番組「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」で、司会の中居正広がかぶっている帽子も、こちらの作品だ。
そんな全国的な名店も、コロナ禍にはお手上げ状態。同店の柳憲司営業統括部長は「去年からコロナで何もできてなかった」と話した。1995年に発生した阪神淡路大震災をも乗り越えた老舗にして「今までで一番しんどい。震災以上に厳しい」という。
だが、手をこまねいていてばかりはいられない。「今年はいろんなイベントをやっていて、その中の1つが『KOBerrieS♪』とのコラボです。9周年という節目ですし、神戸から全国へ発信しているKOBerrieS♪を通して、いろんなところに『神戸の物作り』を発信していければと思っています」と決意を語った。
今回の新衣装は、乃木坂46、AKB48、STU46などのスタイリストを務める米丸友子氏が担当。「マキシン」は米丸氏のデザインを受け、「社内で、15人ほどの職人が、根を詰めて2週間ほどで完成させた」という。柳氏は「演者さん、役者さんへの提供は今までもありましたけど、アイドルの方へ作らせてもらうのは初めて。『ピンチをチャンスに変える』という意識で、ぜひ全国に伝わっていけばと期待しています」と目を輝かせた。
(よろず~ニュース・福島 大輔)