人気投票1位「ルパン三世 ワルサーP38」放送で栗田貫一が回想「今でも“山田さんの音”を入れていく」
「ルパン三世」アニメ化50周年を記念して、22日に日本テレビ系「金曜ロードショー」では「ルパン三世 ワルサーP38」(1997年)が放送される。「みんなが選んだルパン三世」企画で視聴者投票上位作品の放送が続いており、同作はテレビスペシャル版(TVSP)の全27作品から第1位に選ばれた。ルパン三世役の栗田貫一さんと当時のプロデューサーが、作品の思い出を語った。
同作は山田康雄さんから栗田貫一さんにルパン役が引き継がれて、3作目のTVSP。当時は毎回大変なプレッシャーの中で収録に臨んでいたという。栗田さんは「これは、かなり最初の頃の作品でしょ。この頃は年に1回のペースだったし、ちょっとやり直させてよって思ってしまう(笑)。当時は、そもそもやりようが分かってないから。だってさ、横をみたら納谷(悟朗)さんや(小林)清志さんが立ってしゃべってる、どうしたらいいんだみたいな。山田(康雄)さんがやってるところ見たことないんだから。よしんば僕が昔山田さんの現場を見てて、ああやってこうやってしゃべるんだなって分かってれば…と思うけどさ、とにかくしゃべるのでいっぱいいっぱいだし、そういう意味では緊張っていうか、余裕ないですよ。高校野球やってたらいきなり大リーグのマウンド立たされて、大谷の後守ってくれって言われたみたいなものですよ」と当時の心境を語った。
重圧をはねのける方法は何だったのか。「あの頃は、アフレコの前に一回山田さんになって、山田さんからルパンになって、それでやっていた感じ。自分っていうのはないわけだよね、山田さんにならないとできない。実は今でも、毎週アフレコの時は、家出る前に『カリ城』の名シーンをまとめたのを見て、“山田さんの音”を入れていくんです。この頃は声優の皆さんも一番艶が出てると思うし、どこをとってもルパン三世みたいな作品だからね」。栗田さんにとって、今も山田康雄さんは大きな存在感を示しているようだ。
当時の日本テレビプロデューサー、中谷敏夫さんは「TVSPや劇場映画は、“壮大なお話にしたい”、“盗むものもデカいものを”という流れになりがちですが、本作では、企画の当初から“一番大切なもの”ってなんだっけ?と考え、ワルサーP38でなにか考えようとなったように記憶しています」と回想。さらに「この頃の栗田さんは、『亡くなった山田康雄さんのピンチヒッター』として自分がやっている、というスタンスで参加してくれていたように思います。山田さんがまだご存命の時に、親交のあった栗田さんが、山田さんの留守番電話にふざけてルパンのモノマネで吹き込んだのが何かのご縁。山田さんご本人から『俺の次は栗ちゃんだな~』と洒落っぽく“任命”されたという裏話があるんです。この作品に限らず、キャストの変更は、スタッフ一同すごいプレッシャーです。そんな中、TVSP三本目となった栗田さんは、この作品も一生懸命研究して臨んでくれていました。頭が下がります」と述懐した。
現在は同局で新作テレビアニメ「ルパン三世 PART6」が放送中。変わらずルパンを演じ続ける栗田さんは「僕は昭和33年3月3日生まれで、平成3年3月3日に33歳、今年・令和3年3月3日に63だから、3にまつわってずっと…。で、ルパン“三”世。アニメ化50周年、大塚明夫も入ってきた。これは絶対なんかあるんだと思っています。これからもルパンにご期待ください!」と決意を新たにした。
(よろず~ニュース編集部)