動画削除のVチューバー・戸定梨香の管理者らが会見 全国フェミニスト議連への怒り訴える
千葉県松戸市の“ご当地Vチューバー”として活動する女性キャラクター「戸定梨香」が出演していた千葉県警による子ども向けの交通ルール啓発動画が削除された問題で、同キャラを管理する「Art Stone Entertainment」代表の板倉節子氏と大田区議会議員の荻野稔氏が28日、都内で会見を行った。
削除された動画に関しては、全国フェミニスト議員連盟から千葉県警などに「おへそが見えている」「動くと胸が揺れる」「スカートの丈が短い」といった点を挙げ、「女性蔑視にあたる」「性的で不適切だ」との抗議が寄せられていた。これに対し、荻野氏ら中心となった「全国フェミニスト議員連盟宛抗議と公開質問状」事務局が、同連盟に対して抗議の署名活動を展開。6万筆を超える署名とともに、同連盟に対して公開質問状を送っていたが、この日までに回答を得られなかったという。
会見で板倉氏は、全国フェミニスト議連の抗議によって、戸定梨香が「性的なもの」という“レッテル”を張られてしまったことを主張。「性的なものとして私たちはこのVチューバーを作ったつもりはありません。決めつけでこういったことを言われるのはやめていただきたい」と怒りを示した。さらに、抗議文を黙殺されている状況にも言及。「何がどこまでだめなのか、客観的なものが、どうしたらいいのかという問題が残っている」と批判した。
また、同議連が千葉県警などに宛てた質問状では「当局の謝罪、ならびに動画の使用中止、削除を求めます」と明記していたが、その後公式サイトに「提出した文書は、公的機関としての認識を問うたものです。当該動画の掲載も、削除も、ともに千葉県警によるものです」との声明を掲載したことにも反発。荻野氏は「最初の公開質問状で、謝罪も削除も求めている。認識を問うただけというのは間違っている」と断罪し、「議員の団体として、回答を求められた場合はしっかり回答してほしい」と訴えた。
さらに、同議連のメンバーに松戸市議が含まれていることも挙げ「なぜ地元の市議会議員がいるのに、団体でこういう抗議を行ったのかと、はなはだ疑問に思う」と指摘。性的要素については「個別に議論をしていく必要がある。文脈や描かれ方など、複雑な要素があった上での判断。例えば『裸だったらダメだ』ということだったら、お相撲さんは裸ですから」と持論を展開した。
戸定梨香はこの秋・冬にも交通安全運動の啓発動画に出演予定だったが、千葉県警側から当面、起用を見送られた。この日は、予定されていた警察の制服を着たバージョンも初公開された。板倉氏は、その他の仕事にも影響が出ており、稼働がままならない状況であることを説明。今月末をめどにクラウドファンディングを行い、集まった資金で松戸市内のバスに約半年間、ラッピング広告を施すことや、同市内に店舗を構える有名ラーメン店「中華蕎麦 とみ田」などとコラボすることなどを明かした。
(よろず~ニュース・福島 大輔)