人気の「怪獣ソフビ」贋作に要注意!最高額は1000万円超 収集歴40年の人気芸人が「見分け方」語る
怪獣ソフビ(ソフト塩化ビニール)人形を収集するコレクターがいる。お笑い芸人、プロレスラーなどマルチに活動するコラムニストのなべやかんも収集家の一人だが、贋作(がんさく)、つまり「にせもの」が増えているという。なべが収集歴40年の経験を踏まえ、その実態と対策について自身の見解をつづった。
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怪獣ソフビを集め40年になる。「ウルトラQ」放送当時にマルサン(※日本の玩具・模型メーカー)が怪獣ソフビを作り、その後ブルマァク(※日本の玩具メーカー)に移行し、多くの怪獣ソフビが作られた。現在最高額当時物ソフビは一期生産品のガラモン。有名ショップオークションで税金+オークション手数料を入れたら1千万円超えになった。
最近、当時物怪獣ソフビの値段がおかしい。その理由は、ソフビブームで海外のコレクターがオークション参戦してくるからだ。そのため、珍しい怪獣ソフビが本来の相場以上の値段になってしまう。ちなみにガラモン一期でも日本の専門店で販売は500~700万円だろう。当時物が相場以上なのはよしとして、困ったのが贋作やリペイント物が増えている事だ。
贋作が出回り出したのは今から10年くらい前だった気がする。有名ショップの各支店に珍しいソフビシリーズが並びだした。1店舗だけだったらわからなかったが、各支店だったので、コレクター間で噂になる。先輩コレクターや専門店の人に聞き込みをすると、贋作怪獣ソフビの実態がわかって来た。そしてその後、リペイント(※塗り直すこと)やプラス1色塗装が増やされ、“珍色”としてオークションなどに登場する物が現れだしたのだ。横のつながりがあるコレクターは、そういった嘘物情報が流れるのだが、そうでない人たちはだまされるだろう。最近ではリサイクルショップ系のお店が当時物怪獣ソフビを扱いだしているので、嘘を見抜けないお店が多々ある。
嘘の見分け方なのだが、ネットオークションなどの写真だけで判断は難しい。ただ、長年当時物ソフビと深く付き合っていると違和感を感じ取る力が付いてくる。出品物の写真を見ただけで「怪しい」と感じ、それを感じたら専門店や仲間に連絡し確認。するとみんな同意見で、専門店の人は現物を見た事があったりして、嘘を突き止められるのだ。
出品が個人の時やショップの場合があり、「詳しい事はわかりませんが」「写真で判断して下さい」「ノークレーム、ノーリターン」と書かれている事が多い。ショップとして恥はないのか?珍色、贋作、リペを高額で買っている海外コレクターは本当に多いが、贋作は怪獣ソフビだけではない。マジンガーZの超合金、ジャンボマシンダー、東映ヒーローのレアソフビの贋作も海外で作られていて、見極めがとても困難。ちなみに最近では有名オークションで撮影用衣装が高額落札されたが、あれも多分贋作。狭い世界なので、どのルートから出て来た物かわかってしまう。贋作とリペにご注意あれ。
(コラムニスト・なべやかん)