人気声優・小林裕介「顔出し」への葛藤語る「顔を出さずに済むから声優になった」

 アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」ナツキ・スバル役、「Dr.STONE」石神千空役などで知られる人気声優・小林裕介(36)が、身近にある「アレ」に対して勝手に人格とキャラボイスをあてる擬人化プロジェクト「CV部」の動画「【CV:小林裕介、村川梨衣、逢坂良太】#64 恋のクイズ ABC+pod!!!」に登場する。小林は収録後、よろず~ニュースの取材に対応。昨今、声優は顔出しでのイベント出演、ライブでの歌唱・ダンスパフォーマンスなど活躍の幅が大きく広がっている。一方で、「顔を出さずに済むから声優になった部分が大きいんです」と自身の葛藤を語った。

 小林は学生時代、自身が好きだったアニメ「らんま1/2」「SLAM DUNK」などをきっかけに声優業を志した。当時、声優はアニメ以外での活動が目立っておらず、雑誌に取り上げられていたのも、トップで活躍を続けるごく一部だったという。業界は大きな変化をみせ、タイアップ作品を盛り上げるための生放送やイベント関係の仕事が当たり前となりつつある。小林は顔出しについて理解を示しつつ「最初は本当に苦手でした。カメラを見るのも億劫で…」と振り返った。現在は表に出る楽しさも感じているが、バラエティーなどに対する苦手意識がぬぐえていないことを明かした。

 「人に見られる」仕事が増え、自身の容姿にも気を遣うようになったという。以前、髪型は1000円カットで済ませた短髪のスポーツ刈り。服装もこだわりはなく無頓着だった。「当時着ていた私服でイベントに出ようとしたら、マネージャーに『ちょっと待って、それで出るの!?』って言われました。最初はマネージャーに服を選んでもらって買っていましたね」と苦笑いを浮かべた。美容室でのカットや服の購入の他にも、体系維持のためジムに通い運動を始めた。何より大変だったのは金銭面での苦労だ。「駆け出しの頃、ずっとアルバイトをしてて、お金がそもそもないって時に、服とかをいつも考えないといけない。そういうお金の工面でのストレスもありましたね」と話した。

 大型会場でのライブなど華々しい部分に憧れて、声優業を目指すことについては「全然良いことだと思います」とうなずいた。そもそも声優と俳優の線引きについて難しさがあると語る。「最初、声優っていう職業はなかったんです。放送劇団や舞台を中心に活動されている俳優さんたちが、本業の合間でやる仕事っていう感覚が多くとしてあって。その後、声優という職業がはっきりと確立されたときに『声だけ』っていう形になったんです。実は『声だけ』って”間の時代”なんですよ。なので声優のベテランの方たちの中には『職業は俳優です』とおっしゃる方もいます。僕はあくまでそういう世代(“間の時代”)なんです」と説明した。

 登録者数22万人を超えるYouTubeチャンネル「CV部」で、18日に公開された動画「ーABC+pod!!!」では、車・シーマンをアテレコ。司会(村川梨衣)が出すクイズにシーマン、シーポッター(逢坂良太)の2台がハイテンションで回答していく話が展開される。「モノ」の車といえど、その印象的すぎるセリフから表情が読み取りやすく、ほぼ「人」として演じたことを明かした。中でも回答時、ボタンを押した際に発する「ピンポン」のバリエーションの付け方に工夫を凝らした。「(事前に収録した)逢坂くんがすごい盛り上がっていたので、それに対してクールな役にしました。『ピンポポポポーーーん! 』は、ふざけすぎて大丈夫かちょっと心配なところはあります。もしかしたらなんかいじられてるかもしれないです」といたずらっぽく笑った。

 動画では、セリフの所々で「C+pod」の特徴について言及されている。小林は日々の通勤、プライベートの両方でよく車を運転するという。フォルム部分を除き、大きさなど車種に関してのこだわりはあまりなく、運転自体が好きだと明かした。「例えば生放送が終わった後、人を家まで送ったりします。家が遠い人だとそれが“プチドライブ”になるんです」と笑顔で語った。

 収録前には参考のため過去の「CV部」の動画を視聴。1月20日の公開以降、60万回以上再生されている声優・櫻井孝宏、中村悠一による「つぶあんVSこしあん」のおはぎ対決が特におもしろかったと声を弾ませた。キャスティングとユニークな脚本で人気を博している同シリーズ。今動画の注目ポイントを挙げ、「外部給電機能の最大電力は1500Wとか、結構大事な部分をネタとして扱っているんです。みなさん、一時停止してちゃんと車のポイントをチェックしてみてくださいね」と呼びかけた。

(よろず~ニュース・松田 和城)

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