スニーカーブランドがNFT進出「ブランド価値を高めたい」 転売で“会員権”の価格が上がることも
3Dプリント技術を用いたフットウエアブランド「MAGARIMONO」が、デジタルファッションブランド「MAGARIMONO STUDIOS」を立ち上げ、15日からNFTスニーカーを販売する。
発売するのは、積乱雲モチーフの「Cumulonimbus」と、和風の要素を取り入れた「A-UN」の2種類。スニーカーのデザインを動画作品に仕立て、NFTアートとして唯一無二のデジタルデータにした。それぞれ1点ずつをNFTマーケットプレイス「OpenSea」で、オークション形式で売り出す。
「MAGARIMONO」は現実世界で着用するスニーカーを制作・販売するブランドで、3Dプリンターを用いた緻密なデザインのソールを特徴とする。“リアル”なスニーカーの製作でもデジタル上で形成する作業は欠かせないといい、ブランド代表の津曲文登氏は「それを3Dプリントでアウトプットするのか、データのままNFTにするのかという(違いしかない)。僕らとしては入りやすかった」とバーチャルスニーカーとの関連を説明した。
初回購入者には、NFTと同じモデルの現物スニーカーが届く。NFTはその性質上、転売されることも想定される。2番目以降の購入者には「NFT所有者しか購入できない」スニーカーの購入権利などの特典を与えるという。
技術担当の秋月佑太氏はリアルとバーチャルを組み合わせた今回の取り組みについて「(NFTは)メンバーシップカードという意味合いが強い」と説明。NFTの転売で“会員権”の価格が上がることには「欲しい人が購入して値が上がることは、僕たちの商品の価値が上がっていくこと」とポジティブに受け止める。一般的に1点もののスニーカーや希少なNFT作品に高値が付くことがあるが、今回の企画は作品自体の希少性が価格に反映されるのではなく、「会員権の価値=ブランドの価値」を表すものだと語った。
(よろず~ニュース・今井 佳奈)