茨城県が「ニコニコ超会議」に自治体初の公認VTuber・茨ひより起用 特産品を大判振る舞い

 ニコニコ動画などを運営するドワンゴによる大型イベント「ニコニコ超会議2022」が4月29、30日、千葉・幕張メッセで開催された。茨城県は、自治体初のVTuber・茨ひよりが登場する「超茨ひよりブース」で来場者へ大判振る舞いでPRした。

 民間調査会社・ブランドの「都道府県魅力度ランキング2021」で最下位と発表され”不人気”のイメージがある茨城県。「ニコ超」との親和性の高さに着目し、人気向上への期待を寄せ、VTuber・茨ひよりを前面に出したブースの出展を決意。若年層をターゲットに、1700円相当の茨城県産メロン・イバラキングの「1000円でつかみ取り」や「500円ガチャ」といった赤字覚悟の企画を展開した。

 当日は、茨ひよりと来場者とゲーム「ぷよぷよ」の対戦企画を実施。勝利者には常陸牛などがプレゼントされた。茨城県営業戦略部の渡邉一彦氏は「茨ひよりをフッキングとした県産品のPRということで、若い世代にも普及できるのかなと。想像以上に立ち止まって興味を持っていただいている」と手応えを口にした。

 茨ひよりは2018年から自治体初の公認VTuberとして活動をスタート。キービジュアルにもこだわった。頭には大洗で有名なあんこうのマスコットを乗せ、ジャケットはひたち海浜公園に咲くネモフィラをイメージした青色、スカートは特産品・干し芋の黄色。靴は水戸・偕楽園(かいらくえん)の梅の色をモチーフに。茨城要素を詰め込んだ。YouTube動画では県内の観光名所を紹介。日本最大級の長さを誇る「竜神大吊橋」のバンジージャンプを絶叫レポートするなど、“身体”を張って魅力を伝えている。10万人以下だった県のYouTubeチャンネル「いばキラTV」の登録者数は、15万人へ増加。影響力の大きさを実感している。

 「メロンをつかみ取り」コーナーは大反響で、開始時間の11時からわずか30分で用意していたメロンが全てなくなった。片手にも関わらず、最大で3個獲得した人もいたという。渡邉氏は「想像以上。あっという間で衝撃的でした」と振り返った。

 他にも県産メロン、最高級黒毛和牛の常陸牛、豚肉「常陸の輝き」、「茨ひより」のグッズ・ひよりんバッジがランダムで当たる1回500円のガチャ「ひよりんガチャ」を用意。どれが当たっても参加料の500円を下回ることはないという。赤字覚悟で認知度アップを目指したイベントに、渡邊氏は「メロンといえば、北海道の夕張とかをイメージすると思うんですけど、実は生産量は茨城県が全国1位でなかなか知られていないんです。安価な値段でまずは手に取っていただきたい。茨城県と書いてあるビニール袋を持ちながら会場を歩いていただいて、茨城でメロンが有名というPRをしていただいたら」と強い思いを込めていた。

(よろず~ニュース・松田 和城)

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