渡辺裕之さん、上島竜兵さん、なぜ?親交あった なべやかん 悩みから救われた自身の経験を明かす
5月、芸能界から悲報が相次いだ。俳優の渡辺裕之さん、お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さんが共に60代で亡くなった。お笑い芸人でコラムニストのなべやかんが親交のあった渡辺さんと上島さんを悼み、また、自身が悩みから救われたという主催イベントについて触れた。
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このところ連続で想定外の悲しい出来事が起こってしまった。渡辺裕之さんと上島竜兵さん、共に生前お世話になったお二人だ。
渡辺さんとはさまざまなパーティーでお会いした。その都度、素敵な笑顔で話し掛けてくれ、Facebookで友達申請が来た時にはてっきりなりすましだと思ったくらいだ。渡辺さんがSNSにアップした初詣写真を見て、自分もそこに参拝に行ったりした。
上島さんはデビュー当時から何度も番組で共演させていただいている。たけし軍団とダチョウ倶楽部は出演する番組の種類が同じなので、共演頻度は高い。芸能人水泳大会では、前泊なので夜は遅い時間までいろんなお話をさせていただき、自分がレギュラー出演していた番組ゲストに来ていただいた時は、収録後に食事に連れて行ってくれ、カラオケで明け方まで遊んでくれた。「浅草キッド」を歌いながら涙を流す上島さんを見て大爆笑した事が忘れられない。
体を鍛えている渡辺さん、芸人たちに囲まれている上島さん。レベルは違えど、自分も同じ環境にいるので、お二人がなぜ、そういった選択をしたのか理解できずにいる。人間各々悩みはあるので、その人にしかわからない事があるのだろう。だが、お二人とも仕事もたくさんあるのに…。
約30年間、『東洋太平洋秘宝館タイトルマッチライブ』というお笑いライブを主催している。出演している芸人には大ブレイクした者もいれば、鳴かず飛ばずの者もいる。むしろ後者がほとんどだ。50歳を超えた者、まもなく50歳になる者もいて、既にベテラン枠に入りつつあるのだが、仕事は無いし、貧乏だし、汚いし、彼女もいない。そんな彼らに会うと、楽しそうにいつも笑っている。こっちとしては、よく笑って生きていられるなと心配になるくらいだ。
世の中には悩みを抱えて苦しんでいる人たちが多い。悩みの種類も多種多様。もう駄目だと思った時、ぜひとも「東洋ライブ」を観に来てもらいたいと常々思っていて、それをたまにSNSでつぶやいている。「こんな人間も笑顔で楽しく生きているのだから自分は大丈夫」と、観ればきっとそう感じるはず。自分も悩みが多いが、彼らを見て元気をもらいっている部分もあるので、一度試してもらいたい。芸能界の超売れっ子にも観ていただきたい。そうすれば彼らの事が心配になり、彼らを救わなければって思ったりして、自分の悩みから解放されるかもしれない。悩みをどこかに移動させる事で救われる事もあるはずだ。
悲しい思いはもう嫌なので、ひょんな事が救いの一つになる事を切に願う。
★「日本いのちの電話」相談窓口★ 厚生労働省は悩みを抱えている人に対して相談窓口の利用を呼びかけている。
◆ナビダイヤル0570・783・556(午前10・00~午後10・00)◆フリーダイヤル0120・783・556(毎日:午後4・00~9・00、毎月10日:午前8・00~翌日午前8・00)
(コラムニスト・なべやかん)