コロナ禍で収入減、借金を返せなくなった時の3つの手段 「自己破産」以外の方法は? 弁護士が解説

 コロナ禍で収入が途絶え、借金が返せなくなった、一人暮らしで生活費が足りず、少し借りただけのつもりが利息が膨らんだ、住宅ローンが払えなくなり、このままだと家を失ってしまう等、お悩みは様々だと思います。

 債務整理には大きく分けて任意整理、個人再生、自己破産の3つの手段があります。

 任意整理は、返済が困難である場合に、貸主と交渉することによって返済期日を延期し、生活に支障のない範囲で分割で返済していくことを言います。個人再生も、返済が困難である場合に分割で返済していくことを言いますが、裁判所に借金の減額を認めてもらう点で任意整理と大きな違いがあります。主に住宅ローンがある方に適した手段です。

 自己破産は、返済が不能である場合に、裁判所に返済義務を免除してもらい、借金を完全に0にすることを言います。

 「破産なんてとんでもない!」とお思いの方も多いと思います。確かに自己破産は手軽な制度ではありません。債権者を犠牲にして返すものを返さなくてよくするのですから、それなりのハードルの高さ、つまり処分しなくてはいけないものや、手続の煩雑さといったデメリットはあります。自己破産は最終手段であると言ってもいいでしょう。

 しかし、ご紹介した債務整理のうち、もっともよく選ばれるのが自己破産です。基本的には破産したことが職場や他人に知られることはありませんし、日常生活が大きく変わってしまうこともありません。持っておくことが許される財産も一定程度あります。何より、借金を0にして生活再建ができるのですから、借金の取立てに悩んでいる方にとっては、何事にもかえられないメリットがあると言えるでしょう。

 自分にはどの手段が適しているか見極めるのは困難です。お困りの際はお近くの弁護士等に相談してください。

◆平松まゆき 弁護士。大分県別府市出身。12歳のころ「東ハトオールレーズンプリンセスコンテスト」でグランプリを獲得し芸能界入り。17歳の時に「たかが恋よされど恋ね」で歌手デビュー。「世界ふしぎ発見!」のエンディング曲に。20歳で立教大学に入学。芸能活動をやめる。卒業後は一般企業に就職。名古屋大学法科大学院入学。15年司法試験合格。17年大分市で平松法律事務所開設。ハンセン病元患者家族国家賠償訴訟の原告弁護団の1人。

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