高齢者向けパズル 子どもっぽくない絵柄で13年ロングセラー「富士山」「柴犬」が売れ筋

 高齢者向けに開発した大人向けの絵と大きなピースの「元気いっぱい!いきいきパズル」の新絵柄12種がこのほど発売された。販売開始から13年間で130種類以上の絵柄を発表し、これまでに5万個以上売り上げたロングセラー商品だ。「富士山」「姫路城」など”王道”の柄は特に好評だという。

 高齢者が取り組みやすく設計されたジグソーパズルで、20ピースから96ピースまで4段階の難易度がある。主に「雲形」と呼ばれる丸みを帯びた大きなピースを使い、持ちやすい形状も特徴。一般的にピース数の少ないパズルは幼い子ども向けの絵柄が多いが、「-いきいきパズル」は、「風景」「動物」「花」など大人向けの柄を採用している。

 絵柄について、製品の企画・販売を担当する株式会社やのまんの大山毅さんは「年配の方は新婚旅行が熱海とか、国内旅行が主流だった世代」のため有名な観光名所を選ぶことが多いという。特に人気の高い柄は「富士山」「姫路城」。「花」や茶畑などの「草原」も売れ行きがいい。「あまり奇をてらわないのがいいのかもしれないですね」と分析する。「あと、動物では犬。犬でもいろいろ出していたんですけど、柴犬が一番人気でしたね。猫も入れたりしますけど、柴犬の方が人気がある」。柴犬人気の理由は「全く分からない」と首をかしげた。

 2009年の発売開始以来、130種類以上の柄を販売してきた。同じ柄を追加製造することは基本的になく、「リピート製造するより新しい柄」と次々に新作を生み出した。「富士山」など鉄板人気の柄は、秋の紅葉や春の桜など周辺の景色や構図を変え”王道”を守りながらも「フレッシュ」に仕立てる。

 年間3000~5000個を販売し、13年間で「5万個以上」が売れた。販売方法は電話や自社オンラインショップの通信販売のみ。卸売業者との取引が中心の同社では、個人へ直接販売する「-いきいきパズル」は「異端」の存在だという。大山さんは「エンドユーザーの方に遊んでいただいて、リピート購入もしてくれていると肌で感じているので、いい商品だから続けていきたいという熱い思いで今まで続いている」とロングセラーの理由を語った。

(よろず~ニュース・今井 佳奈)

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