指パッチン演奏者「指男」のTikTokドリーム サカナクション好きすぎてギネス記録、山口一郎と共演
音楽に合わせ高速指パッチンでリズムを奏でるパフォーマー・指男(25)は、その技がSNSで注目を集め、TikTokフォロワー数310万を超える有名動画クリエイターになった。子どもの頃から憧れ続けたサカナクションの山口一郎とのコラボ演奏も実現し「指パッチン冥利に尽きます」とTikTokドリームを語った。
「一郎さんが僕のTikTokを見ているとおっしゃっていたので、半端なものを世に出してはいけないと思いますね。例えば、過激な人とコラボする話が来た時に、一郎さんがその姿を見てどう思うんだろうと考えて控えようと思いますし、自分を律する一つの指標になっています。本当に尊敬する人だから、『しょうもないやつだな』と思われたくない」。サカナクションを愛してやまない指男は、その憧れを原動力に技を極めてきた。
指パッチンを始めたきっかけは、小学校高学年から中学生の頃にサカナクションの曲と出会ったことだった。「歌詞もサウンドも衝撃的で興味を持ち始めました。その時にギターとかドラムとかの楽器をやりたいと思ったんですけど、僕は手先が不器用だから難しい。もっと簡単にできるものをと思った時に、指パッチンを連続でやったら楽器っぽくなるんじゃないかと考えました」。
サカナクションの曲を演奏したい一心で、指パッチンを習得。独学でドラムのリズムをまねるうち、高速で指パッチンができるようになった。気がつけば2016年、ABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」に出演し「1分間で指を鳴らした最多数」のギネス世界記録に認定されるという”副産物”も手に入れた。高速指パッチンといえば、昭和から平成初期に活躍した故ポール牧さんがいるが「生で見たことも動画も見たこともない」。「”ポール牧もどき”では意味がないので、偉大な人だからこそ距離を置く」と、先人をリスペクトながら自分の道を作ってきた。
2017年、ツイッターに投稿した指パッチン動画が大ヒット。多くの人に見られた感動で「SNSにのめり込んだ」という。同年からTikTokに参入し、21年にはアニメ「進撃の巨人」のテーマ曲「僕の戦争」をアカペラ歌唱しながら指パッチンする「タラララ~」のネタで一大ブームを起こした。これを機に、はじめしゃちょーや宮迫博之、ナオト・インティライミなどビッグネームとのコラボが急増。22年には「神様的な存在」で「一番尊敬」しているサカナクションの山口一郎とテレビ番組に出演した。
山口との共演はこれが2度目。2019年にも山口が出演する音楽番組にゲスト参加したことがあったが、「1回目は、どちらかというと『ファンと一郎さん』みたいな関係だった」。2度目は動画ヒットの実績を持った状態で臨み「僕の思い込みかもしれないですけど、動画クリエイターとして一郎さんと接することができたんじゃないかと思う」と自身の成長を実感した。念願のコラボ動画も撮影できた。
次の目標は「対バン」。「指パッチンを使った自分の音源(曲)を出して、それを大ヒットさせて、サカナクションとステージで共演できたらいいなと。今は動画クリエイターとしては認めていただいているかもしれないですけど、音楽家としても同じ土俵に立って『こいつすごいな』と思われるくらいのものをやっていければ」と目を輝かせた。
今月3日には、人気TikTokクリエイターが出演するリアル開催イベント「TikTok Creative Festival OSAKA」に出演。サカナクションのグッズTシャツ姿でステージに登場し、指パッチンで曲を奏でるイントロクイズで会場を盛り上げた。
◆指男(ゆびお)1997年6月26日生まれ、大阪府出身。音楽に合わせ指でリズムを鳴らす「指パッチン演奏者」。2016年、ABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」に出演し「1分間で指を鳴らした最多数」のギネス世界記録に認定された。TikTok(@yubio_finger)のフォロワーは310万人以上。指パッチンのコツは力を入れすぎず「腕全体をうねらせるように」体全体を使うことだという。
(よろず~ニュース・今井 佳奈)