里見女流五冠、プロ編入試験第3局も敗戦 3連敗で終戦し史上初の女性プロ棋士誕生ならず「今の自分の実力」
将棋の里見香奈女流五冠が挑戦している棋士編入試験第3局・狩山幹生四段戦が13日、大阪市の関西将棋会館で指され、狩山四段が103手で勝利。里見女流五冠は編入試験3連敗となり、今回の試験での史上初となる女性プロ棋士誕生は消滅した。
9月の第2局で手痛い逆転負けを喫し、後がなくなった里見女流五冠は、後手番の今局も前局と同じく最も得意とする中飛車を選択。狩山四段は居飛車の対抗形という、前局と同様の戦型となった。
序盤はほぼ互角の展開に進んだが、里見女流五冠は序盤から消費時間が増える苦しい展開。中盤のねじり合いで徐々に形勢を損ねると、終盤前に一気に大差が開いてしまった。それでも粘り強く指し手を進めたが、最後まで形勢逆転はならず、大差のまま狩山四段の冷静な指し回しに押し切られた。
終局後、里見女流五冠は「堅い陣形を築いて行けたので、分かれはまずまずかなと思っていました。もうちょっと前に踏み込んでいく順があったかと思うんですけど、指し手が迷いながらになってしまったので、自玉もちょっと薄くなるので、あまり本意な展開ではなかったです」と、完敗に終わった一局を回顧。3連敗で不合格となった編入試験については「今の自分の実力だと思うので、また勉強して頑張りたいと思います」と言葉を絞り出した。
里見女流五冠は、8月18日に大阪・関西将棋会館で指された第1局は、徳田拳士四段に敗戦。9月22日に東京・将棋会館で指された第2局では岡部怜央四段に敗れていた。合格条件は5番勝負のうち3勝を挙げることだったが、今局で3連敗となり、可能性がなくなった。
(よろず~ニュース編集部)