兄弟漫才コンビ「酒井くにお・とおる」の酒井くにおさん＝本名・酒井国夫＝が１０月２８日午前８時３０分、慢性虚血性心疾患のため大阪市内の自宅で死去していたことが７日、分かった。７４歳。所属事務所の松竹芸能が同日、発表した。葬儀は６日、大阪市内で家族葬で行われた。

　くにおさんは、岩手県奥州市出身。３歳年下の酒井とおる（７１）とともに、１９７０年（昭和４５）、浪曲漫才コンビのさがみ三太・良太に入門。コントを始め、東京・青戸の劇場で初舞台を踏んだ。７２年に来阪し、漫才に転向。９７年には上方漫才大賞の大賞受賞した。２０２０年１１月８日には、心斎橋角座で芸歴５０周年記念公演を行ったばかりだった。独特の口調で弟・とおるを「とおるちゃん！」と呼ぶ漫才で人気を博した。

　くにおさんの自宅で最期を看取ったとおるは、松竹芸能を通じ「この度、酒井くにおは寄席の舞台、そして人生の舞台からも幕を下ろしてしまいました。１０月２８日早朝、横なって寝ているような姿でした。松竹芸能の皆さん、関係者の皆さんにお世話になり、５２年の芸人人生でした」とのコメントを発表した。

　５年前に、くにおさんは腰の手術をしたといい「体が思うように動かず、悔しく、辛かったと思いますが、人前では、目一杯元気な姿を見せようとしてたね！」と振り返った。続けて「ここ１年ほどは、正月番組まではガンバル！岩手での落語会まではガンバル！とおるの息子の結婚式まではガンバル！と言って頑張ってくれました。もう！頑張らなくて良いよ！！ゆっくり休んでください！今までありがとう！」と、突然の別れを惜しんだ。

（よろず～ニュース・杉田 康人）