「多くの教師がオールタイムで保護者の相談にのってくれる」は誤解か否か 学校の過酷な労働環境が話題
学校教師の過酷な労働環境がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは公立中学校教諭の神原楓さん(@wakateowl)による
「久しぶりに面白いやりとりがあった。
保護者『先生は土日、学校にいますか?』
🦉『土日はいませんね』
保護者『じゃあ進路相談できる時間がないですね…』
🦉『私が授業に入ってない時間をお伝えしますね』
保護者『いやその時間は私が仕事じゃないですか』
🦉『銀行と同じで営業時間がございます』
いまだに『教師はいつでも相談にのってくれるもの』と思っている保護者はたくさんいる。
いや、むしろ事実として、今も多くの教師が『オールタイムで保護者の相談』にのっている。保護者が勘違いしてしまうのも無理はない。
『営業時間』を明確にしない学校に非がある。」
という投稿。
今日び「教師は聖職」とまで思う人はいないだろうが、それでも「先生なんだから」と一般的な労働者よりも大きな負荷がかけられがちなことは事実。
神原さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「自分の子供の相談なのに。。。
自分が先生に予定合わせるのが普通だて思うんだけど。
この親ちゃんと仕事できてるの?って思っちゃった。」
「医師も同じです
患者さんの家族説明で『仕事があるんで21時以降か土日の12時ごろでお願いします😊』とか言われるのは普通です
え?こっちも仕事ですけど?
なお私は2年くらい前まで応じてましたし、今でも応じてる医師が多いかもしれません
医療や教育をサービス業と勘違いしてる人多いですよね…」
「保護者は安心して休みが取れるのに、教師には時間外に働くことを求める国も大概だと思いますけどね。」
といった共感、理解の声がある一方
「子供3人いるんですが面談予定を2~3週間前にプリントきた時は
『私の勤務希望は1ヶ月前に締め切られています~』
って思って個別で先生と平日の予定合わせたことあります。
先生にも申し訳ないけど、常識の範囲内での柔軟さは求めてしまうかも…
さすがに土日はないけども。」
「私はシフト制の職場勤務の店長です。
先生側は余裕を持ってプリント出したつもりでしょうが、会社・お店関係はもっと前に予定組むことを知らないんでしょうね。
子持ちのパートさんが『この日出られません』と申し訳なさそうに言ってきて、代わりを手配するのにどれだけ苦労やストレスがかかるか…」
など反発の声も寄せられている。神原さんにお話を聞いた。
ーー教師が土日に保護者対応を強いられるケースは多いのでしょうか?
神原:土日に保護者対応を強いられるということは基本的にありません。
ただ、部活の顧問をしていると土日に保護者と関わりがあり、練習試合や試合等の打ち合わせをすることがよくあります。
部活の顧問については、実質的に教員に強要されている場合が非常に多く、事実上の土日の時間外労働や生徒・保護者対応を余儀なくされているという実態があります。
ーーそのあたり学校や教育委員会からガイドライン等は示されないのでしょうか?
神原:特に休日の保護者対応のガイドラインはありません。休日に保護者対応をすることが想定されていないためだと思います。
学校内では、まだまだサービス残業で「平日の勤務時間外、土日祝日に働くこと」が常態化しており、それが間違った働き方であるという認識をもっている教員や管理職(教頭・校長)は少ないです。
ーーこれまでの反響やコメントについてご感想をお聞かせください。
神原:教員の多忙化が知られる前は、教員が労働問題について発信する内容について、Twitterで教員以外のアカウントからの賛同の声は少なかったですが、ここ数年は多くの方が教員の労働が過酷であることに同情し、日本の子どもたちの教育のためにも教員の労働環境や待遇は改善されるべきという考えをもっているように感じます。
◇ ◇
学校教師の労働環境改善の必要性は以前から指摘されているが、遅々として進んでいないのが実情のようだ。学校教育は子供たちを社会に送り出す国の根幹事業。それに携わる教師たちがブラック労働にあえいでいるというのはいかがなものだろうか。
(よろず~ニュース特約・中将タカノリ)