ゲームの「ガイコツ」音は「将棋駒」から 「ウマ娘」のCygamesが効果音スタジオ公開
スマートフォンゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」や「グランブルーファンタジー」シリーズなどを開発する「Cygames」が、作中の効果音を収録する「大阪サウンドフォーリースタジオ」を大阪市内に新設した。11日には完成式を開き、キャラクターの足音や動作音を録音する様子を公開した。
ビルの一室に作られた約40平方メートルの録音室にはコンクリート、砂、木など異なる材質でできた10種類以上の床やブース、小道具のドア3枚が設けられた。ヨーロッパの城を参考にしたという重さ約100キログラムの特注のドアは閉じたときに「ずしん」と音が鳴り、ゲームに登場する中世の世界を表現する。
金属製の扉は、ある工場の門扉を中古で譲り受けたもの。新品のドアでは狙い通りのきしむ音が出なかったといい、中古扉のちょうつがいを薬液でさびさせることで理想の音に近づけたという。
新スタジオでは、同社のゲーム「GRANBLUE FANTASY: Relink」と「Project Awakening」のキャラクターに合わせた効果音収録のデモンストレーションが公開された。「GRANBLUE FANTASY-」に登場するガイコツのキャラクターが動く音は、4人がかりで奏でる。木片をつなげたものをこすったり、将棋の駒を入れた箱を振ったりして、「カタカタ」「カラカラ」とガイコツの骨が鳴る様子を表現した。
「Project Awakening」の剣士が歩く場面はコンクリートの上にタイルを置き、あえて不安定な床面にすることで、浮き上がった古い石畳を踏む音を演出。木の板や革ジャケット、金属製のグリルトレーをこすり合わせ、盾が揺れる音を生み出した。
フォーリーとは、映像に合わせて動作音などを収録する手法のこと。ゲーム制作では、騎士の「固い足音」のためにスキーブーツを使うなど、ファンタジーの世界を現実世界の身近な小道具で表現することがある。
同社ではこれまで外部スタジオを借りるなどして収録していたが、より効率的に収録するため自社スタジオを新設した。同社サウンド部マネジャーの丸山雅之さんは、外部スタジオでは使用時間の制約がある中で収録していたと話し、「自社スタジオの場合は実験の段階からできる。この音を作るためにはどうすればいいんだろうという試行錯誤がしやすくなる」と期待した。
(よろず~ニュース・今井 佳奈)