NHK次期会長に前川喜平氏を推薦する市民団体が公開質問状「選考過程や選考理由を明らかにされないまま」
NHK出身者らでつくる市民団体「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」は5日、NHKの次期会長を選出するNHK経営委員会に対し「前川喜平さんを次期NHK会長に推薦する件の審議状況について」とした公開質問状を送った。
同団体は元文部科学事務次官で、コメンテーターなどを務める前川喜平氏(67)を、2023年1月24日で任期が切れるNHKの次期会長として推薦する市民運動を展開。1日には申入書と約4万4000筆の署名を、同委員会に提出している。
NHK現会長の前田晃伸氏(77)は続投しない意向を重ねて表明しているが、一部報道で次期会長として元日本銀行理事の稲葉延雄氏(72)の名が挙がっている。
同団体では「NHK会長の選考については『手続の透明性を図り、公共放送の会長にふさわしい資質・能力を兼ね備えた人物が選考される』ことを求める附帯決議が、国会でのNHK予算承認の際に何度も付けられています」と強調。「今回再び公共放送の会長の資格要件を満たさない人物が、その選考過程や選考理由を明らかにされないままNHK会長に選出されることは、絶対に許されてはなりません」とした。
公開質問状では「次期会長に求められる基本的資格要件として、現行放送法の精神を踏まえ、かつ、ジャーナリズムの在り方について深い見識を有することのほかに、何よりも政治権力からの自主・自立を貫ける人物であることが絶対条件と考えます」とし、前川氏を次期NHK会長に任命するよう強く要請したと説明。「(NHKの)受信契約者約4万5000人の代表として、前川喜平さんを含む今回の会長選考過程を、注視しております。そして新会長選出の暁には『手続の透明性』や『選考手続の在り方』等に合致した人選であるかどうか公開にて質問していく所存です」とした。
NHKの次期会長は、委員12人のNHK経営委員会で、9人以上の議決で任命される。
(よろず~ニュース・杉田 康人)