「ドラえもんのうた」山野さと子 水木一郎さんは“帝王”よりも“うたのおにいさん”

 「ドラえもんのうた」などのアニメソング、童謡の歌手として知られる山野さと子が19日、6日に74歳で死去した“アニメソングの帝王”水木一郎さんの思い出を「わたしにとっては“帝王”よりも“うたのおにいさん”の印象が強いです」と語った。

 山野は高校在学中の1980年、日本コロムビアが主催する「地球(テラ)へ…」主題歌コンテストを受け、グランプリを獲得。歌手への第一歩を踏み出した。「ゲストに水木さんが来られていて、お願いしていただいたサインは今もあります」と懐かしそうに語った。

 80年代後半、講談社夏のこどもまつりでおねえさん役として毎年、おにいさん役を務めた水木と一緒に全国を巡った。当時の水木は、自伝にも記されているが、アニソンの世代交代の波などを受け、芸能活動としては低迷期だった。

 「水木さんは会場のだれよりも思いきり体を動かして『アブラハムの子』を踊っていました。汗だくになった水木さんが両手を広げると、ばっと汗が飛び散ったくらいです。何事も全力でやるんだ、と教えてくれました。食事にもよく連れて行ってくれて、とても楽しい席でした」

 水木は90年に自身も持ち歌以外の曲も含めてメドレーで歌ったシングル「懐かしくってヒーロー」や、その雄たけびがテレビのバラエティー番組等で注目され再浮上。熱血キャラクターと“アニキ”の愛称でも親しまれ、以降はアニソン歌手の第一人者のまま生涯を終えた。

 山野は「アニソンのイベントでもよくご一緒しましたが、わたしにとっては“帝王”よりも“うたのおにいさん”の印象が強いです。何事も全力を尽くさなくてはならないと、教わりましたから」と語った。最後に会ったのはコロナ禍前、2020年2月のイベントだったという。「ドラえもんのうた」「とんがり帽子のメモル」「ぴんく、ピンク、PINK!」「メイプルタウン物語」などの代表曲を持ち、童謡などを含め1300曲以上をレコーディングしてきた歌い手は、水木の教えを胸に全力で歌い続ける。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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