日本人は50年間で体温が1度下がっている!? 薬の濫用とパンや白米など「白い食べ物」が原因との説も

 寒さが厳しくなってきた冬本番。免疫力を高めて病気を予防し、健康を維持するためには、どのような生活を心がけるべきなのだろう。ジャーナリストの深月ユリア氏が専門家に話を聞いた。

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 寒い日々が続き、新型コロナ感染も拡大している。体調を崩しやすい時期だ。免役力を高め寒い冬を元気に過ごす対策として、「体温を高める」という方法があるという。

 自然免役応用技研株式会社の研究レポートによると、日本人の平均体温は36・89度だが、50歳を過ぎた頃から体温が下がっていくという。体温が1度上がると最大5-6倍も免役力が上がるが、逆に1度下がると免役力が30%下がるという。平熱が36度以下だと免役力も下がり、さまざまな病気にかかり、血流が悪くなることから便秘や肥満にもなりやすいという。

 しかし、科学誌「natureダイジェスト」によると、米国スタンフォード大学の研究により現代人の体温は10年で0・003度ずつ低下する傾向にあるという。では、体温を上げるためにはどうすればよいのか。筆者は東京都町田市にある「大吉漢方メル薬局」の代表、大内択一氏に取材した。

 -体温を上げるには?

 「漢方の考え方の『心食動休環(心、食事、運動、睡眠、環境)』を大事にすること。その中でも最も大切なのは食事ですね。『一物全体(食物は全体でひとつの命なので丸ごと食べる)』の食事をすること。例えば、玄米にひえやあわを合わせた雑穀米は『一物全体』の食材で、ごま塩をかけたらミネラルもとれるという完璧な食事になります。そして、身体を温める『陽性』の食材をとること。ショウガ、蓮根、ゴボウ、かぼちゃなどの地下にうまっている根菜は身体を温めます。さらに、蓮根は咳予防、かぼちゃは胃腸を強くする作用があります。逆に葉菜は身体を冷やすものもありますので、旬のものを食べること。冬に限らずですが味噌や納豆などの発酵食品は腸内フローラを整えます。『心』はなるべくストレスをためないこと。『動』は、適度な運動をすると筋肉量が増え、体温が上がって免疫細胞が活性化します。『休』は適度な睡眠です。『環』はお風呂はシャワーのみでなく湯船につかること。オーガニックの柚子の入浴剤なども入れたらさらに身体が温まります」

 -現代人は体温が下がって36度以下の低体温が増えているといわれますが実際には?

 「日本人の体温は50年で1度下がっている、という研究もあります。体温が下がると癌(がん)になりやすくなり、自律神経が乱れて鬱(うつ)病などの精神疾患にもなりやすくなります」

 -現代人の体温が下がった原因は?

 「(西洋医学の)薬をとり過ぎなこと。『一物全体』の漢方は身体を温めますが、西洋医学の多くの生成物の薬は身体を冷やします。そして、精白(精製)食品(白砂糖、パン、白米など白く加工した食品)のとりすぎも一因です。食べ物を精製すると多くの栄養素が削ぎ落とされてしまいます。例えば、米は精製するとビタミンB1が6分の1に減り、マグネシウム、カリウム、リン、鉄、ミネラル類や食物繊維も減ってしまう。血糖値も上がりやすい食材になり、身体で炎症を引き起こしやすくなる。現在、『食育』の考え方が大事にされ学校給食は大分改善しましたが、かつての学校給食はパンが主食でした。そして、運動不足も一因です。便利な社会になりましたが、運動量が大幅に減っていて、昔に比べて筋肉量が減っている方が多いです。筋肉量が低下すれば、血行が悪くなって体温が下がります」

 -筋肉量は一気には増やせないので、薬を多用しすぎないこと、食べ物に気を付けることが、すぐに出来る体質改善方法ですね。

 「薬を多用している方は一気にはやめられないので、少しずつ減らしていけばよいと思います。そして、精白食品より『一物全体』の食物をとること。『医食同源(病気を治療することも食事をすることも、生命を養い健康を保つ為の同じ源である)』という考え方がありますが食べ物を変えて体質を改善することで、あらゆる症状を改善できます。人間の本来の免役力は本当に素晴らしいものです」

 医学の進歩と共にすぐに薬に頼りがちな現在社会だが、薬を飲み過ぎると副作用や耐性もできてしまうので、なるべくなら自然治癒力であらゆる病気に抗えるほどの健康体でいたいものだ。

(ジャーナリスト・深月ユリア)

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