将棋・王将戦第2局は羽生九段が勝利で1勝1敗に タイトル戦で2年3カ月ぶり白星 藤井王将戦の連敗4でストップ
藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖との五冠)に羽生善治九段が挑戦する、将棋の第72期王将戦七番勝負第2局2日目が22日、大阪府高槻市の「山水館」で指し継がれ、挑戦者の羽生九段が勝利。対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。
今月8、9日に行われた第1局では、先手番の藤井王将が勝利。今局は羽生九段が先手番で、戦型は相掛かりとなった。1日目の午前中から駒がぶつかり、午後には飛車、角といった大駒を互いに交換する激しい展開。1日目の夕方には、羽生九段が意表の金打ちで形勢をたぐり寄せた。
2日目も難解なねじり合いが続いたが、羽生九段が機敏な指し回しで徐々にリードを広げて、持ち時間を多く残したまま終盤に。最後は藤井王将が怒濤の10手連続王手ラッシュで迫ったが、羽生九段は唯一の受け筋を冷静に選び切って快勝。前人未到のタイトル通算100期へ向け待望の1勝目を挙げた。
1日目午後に見せた“勝負手”の金打ちについて、羽生九段は「ゆっくりしていると攻めが切れちゃうんで、筋の悪い手なんですけど、しょうがないかなと思って指していました」と説明。中盤から終盤の細かい攻防には「ちょっと攻めが細い形なんであまり自信がなかったけど、他の手も見つからなかったので本譜を選んだ。ちょっと受け間違えるとすぐ負けそうな局面なのでかなり慎重に指した。どの変化もかなりギリギリだった」と振り返った。
最終盤、藤井王将の猛攻をしのぎ「最後、ちょっと怖かったんで、何かあったらしょうがないと思ってたので、詰まなくて良かったという感じですね」と安どの表情。これまで公式戦では藤井九段に1勝8敗で4連敗中だったが、2年4カ月ぶりの勝利で連敗を止めたことに「一つ結果が出て良かったなというところですかね。内容的なものもずっとともなっていなかったので、ちょっとホッとしています」と話した。
羽生九段にとって、タイトル戦番勝負での勝利は、2020年10月の第33期竜王戦・豊島将之竜王戦以来2年3カ月ぶり。第3局へ向けて「 いい将棋が指せるように自分なりにしっかり調整して臨みたい」と穏やかに話した。また、藤井王将は公式戦10連勝中(未放送のテレビ対局を除く)だったが、こちらもストップとなった。
(よろず~ニュース編集部)