車上のテントで診療する驚きの鍼灸サービス誕生!コロナ禍のキャンプでヒント 「換気が心配」の懸念なし
コロナ禍はさまざまな生活様式を変えた。ソーシャルディスタンスにより人と人との物理的な接近、接触はぐんと減り、あらゆる場所で換気が必要となった。
そんな中「換気が心配」という声をヒントに新たなビジネスを思いついた鍼灸院院長がいる。兵庫県西宮市で『すが鍼灸治療院』を営む、鍼灸師の菅哲也さんだ。
「院内は換気を万全に行っていました。ただ、どうしても鍼やお灸を使う治療は近距離になるんです。患者さまからの不安の声を多く聞き、実際に訪問数も随分減りました」(菅)
どうしたものかと頭を抱えた菅さん。しかしある時、月2回行くほど好きなキャンプがふと頭に浮かんだ。キャンプのように屋外にテントを設置し、解放感の中で施術できないだろうかという考えに至ったという。
「キャンプって心地いいんです。パワーが何倍にもなる気がします。これは行けるぞと思いました」(菅)
アイデアは極めて大胆だ。車の天井に折りたたみ式のルーフテントを載せ、患者と施術者がはしごで登って入るというもの。テント自体は車に取り付ける既製品だが、鍼灸院が診療所として使うのはおそらく日本初であろう。
しかしこのアイデアの実現はスムーズではなかった。「前代未聞」と難色を示す保健所や厚生労働省の担当者と粘り強く交渉し、コロナや道路交通法の関係でも繁雑な申請作業があった。ようやく今年4月頃に「ルーフテント治療」サービスとして稼働できる見通しが立ったのだ。
今後、個人や企業など幅広い層を対象に車を走らせたいと意気込む菅さん。筆者は1月26日に西宮商工会議所の駐車場で披露されたデモンストレーションを取材したが、ルーフテントを用いた施術は思ったほど違和感なく、折からの寒波もテント内に仕込まれた電熱マットでうまくしのげているようだった。このルーフテント治療が普及すれば、高齢者を中心とした従来の利用層だけでなく、これまで鍼灸院に馴染みがなかった若い層にも気軽に施術を受けることができるだろう。
「現時点では高齢の方を診ることの方が多いですが、若い現役世代にも知ってもらいたいんです。近年は経済産業省が健康経営の普及を推進しているため、鍼灸が福利厚生に選ばれるケースも増えています。これは従業員の健康を維持するだけでなく会社のイメージアップ、優秀な従業員の募集にもつながると思います。施術だけでなく、予防の観点から定期的に診ることで医療費の削減にもつながります。マッサージ師会と連携して、健康な社会へとつながる活動を行っていきたいですね」(菅)
今後のルーフテント治療の展開にご興味ある方は、ぜひすが鍼灸治療院の公式ホームページをご覧いただきたい。
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すが鍼灸治療院
住所:兵庫県西宮市北六甲台5-39-10
電話番号:078-903-0510
開業:2004年
院長:菅哲也
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