武藤敬司の引退目前“盟友”蝶野正洋が語った 内藤を「最後はおいしく食べてもらいたい」
ノアの21日東京ドーム大会で行われる武藤敬司(60)の引退試合を目前に、プロレスラーの蝶野正洋(59)が思いを語った。当日はABEMAのPPV生中継のゲスト解説として、ラストマッチを見守る。新日本のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)を率いる内藤哲也(40)との一戦に「最後はおいしく食べてもらいたい」と完全に食う試合を期待。一方で「無理をせず、最後は花道を歩いて帰れるように」と、レスラー生活の無事完走を願った。
1984年(昭和59)4月21日に新日本に同日入門し、デビュー戦の相手でもある武藤の有終試合をどう見るのか。蝶野は「大きな花火を打ち上げてもらいたい。内藤をつぶしちゃえ、やり逃げしちゃえみたいな思いはある」と、39年間のキャリアに終止符を打つ盟友の“最後の一発”を望んだ。
「最高の試合を作りたい」と、ラストマッチの相手にLIJの総帥を指名した武藤。一方で、内藤は「悔しいという思いで(武藤に)リングを降りてもらいたい」と、胸の内を語っている。蝶野は「内藤選手を最後はおいしく食べてもらいたい。今の状況だと、本人がデザートになる可能性があるが…」と、内藤食いの閃光魔術を願う。「やり残したら、加勢しようという思いもある」として、乱入も辞さない構えだ。
最後の花道まであと1日。2021年に脊柱管狭窄症の手術を受けた自分自身を振り返るかのように、武藤のコンディションを案ずる。「本当に痛いんだと思う。股関節も変形…レスラーは鼠径(そけい)部、腰が悪くなる。体全体のバランスを取るところをやっちゃっている。仰向けでは寝られないはず」と気づかった。威勢のいいセリフでゲキを飛ばしていた蝶野だが「試合はセレモニーレベルで、無理をしないように…という思いもある。今でも車いす生活。おじいちゃんになる余生がある」と、引退後に迎える長い長い“その後”を見据えた。
闘魂三銃士のもう一人、2005年に死去した橋本真也さんや、2012年にリング禍に倒れた三沢光晴さんへの思いもはせた。もちろん、引退試合を行っていない蝶野自身の姿も投影する。「橋本選手だとか三沢社長だとか、同世代の送別会という形をとりたい」。平成のマットを光り輝かせた世代の、ひとつの区切りとなる。
(よろず~ニュース・杉田 康人)