声優アワードで男女別の表彰を廃止「声優はジェンダーを飛躍した仕事」 昨年に緒方恵美が問題提起
当年度で最も活躍した声優を発表、表彰する「第17回声優アワード」の授賞式が3月11日に開催され、表彰部門が変更されることが21日、明らかになった。
2019年以来、3年ぶりの開催。授賞式に先がけて、富山敬賞、高橋和枝賞、キッズファミリー賞、功労賞それぞれの受賞者が発表された。
各方面で活躍した男性声優に贈られる富山敬賞に諏訪部順一、各方面で活躍した女性声優に贈られる高橋和枝賞に川村万梨阿が選出された。子供の視点で選ばれたキッズ・ファミリー賞に大谷育江、松本梨香が選ばれた。長年にわたり海外映画を含め多くのジャンルに貢献した声優に贈られる功労賞には秋元千賀子、屋良有作が受賞した。
今回から多様性の尊重、ジェンダーフリーに鑑み、主演・助演・新人の3部門における男女別を統合し、主演男優賞と主演女優賞は主演声優賞、助演男優賞と助演女優賞は助演声優賞、新人男優賞と新人女優賞は新人声優賞に名称を変更する。主催側は「もとより、声優という仕事は女性が男性キャラクターの声を担当したり、またその逆もありうる等、ジェンダーを飛躍した仕事であります。これにより、声優の賞であるということによりフォーカスでき、賞の意図が明確に伝わりやすくなると考えます。賞の目的である『声優の認知』が拡がり、声優の地位向上に寄与できることを考え、今回の部門名称変更に至りました」と説明した。
この点に関しては昨年の表彰あいさつで、主演女優賞に選ばれた「エヴァンゲリオン」シリーズの碇シンジ役で知られる緒方恵美が、自身の役柄の大半が男性キャラであること、ジェンダーフリーの観点から、男女別で受賞者が選出される意義などに疑問を呈する経緯があった。
声優アワードは、2007年にスタートした声優界最大のイベント。今回は主演声優賞、助演声優賞、新人声優賞、歌唱賞、パーソナリティ賞、特別功労賞、功労賞、シナジー賞、富山敬賞、高橋和枝賞、キッズファミリー賞、特別賞、外国映画・ドラマ賞、ゲーム賞、インフルエンサー賞、MVSの各部門が表彰される。
(よろず~ニュース編集部)