選手とマネジメント側のトラブル多数? eスポーツマネジメント契約の問題点とは 契約書テンプレートも公開

この頃、「eスポーツ選手」や「プロゲーマー」といった言葉をよく耳にするようになった。

個人的な人気を博し、タレントやインフルエンサーのような認知のされ方をすることも多い彼らだが、はたして所属事務所とのマネジメント契約はどのようになっているのだろうか。

先日、SNS上で正社員プロゲーマー事業部を擁するグローバルセンス株式会社代表、工藤貴之さん(@GsKudo)さんの投稿が話題になった。

「🙇‍♂️拡散のお願い🙇‍♂️

esportsマネジメント契約書のテンプレートを公開および配布します

配布に至る背景は目にする契約の多くが余りにもアンフェア過ぎるから(詳細は画像の通り)

チームは契約書作成の参考に選手は提示契約との比較に利用してください

ダウンロードリンクはリプ欄に貼りますー」

投稿に添付された画像によると、選手たちと所属事務所の契約は選手にとって不利な内容であることが多く、脱退に際し多額の違約金を要求され、トラブルも多数発生しているらしい。公平な契約書のテンプレートを公開し、少しでも業界の現状を正したいという工藤さん。今回の投稿についてお話を聞いた。

野中:今回の契約書テンプレート公開のきっかけは?

工藤:投稿した通りですが、私はこれまで、現プロゲーマー、プロゲーマーを目指すプレイヤー数十名、もしかしたら100名以上から相談を受けてきました。相談者の名前は絶対に出せませんが事実です。

契約の内容を吟味せずにサインをした選手も落ち度はありますが、時に公序良俗に反するとさえ言える内容の契約書で選手を釣ろうとしているマネジメント側の姿勢も問題です。

ですがeスポーツはまだ発展途中の業界なので、マネジメント側も悪意ではなく単に契約に無知なのかもしれません。また選手側も契約に無知で大雑把すぎるのかもしれないと考え、フェアな内容の契約書のテンプレートを弁護士監修で製作して配布をするに至りました。

野中:今回の契約書テンプレートを作るにあたり重視した部分は?

工藤:双方の義務と得るもの、差し出すものが出来る限りフェアである事。また契約期間中、期間後の双方の安全と安心が出来る限りフェアである事です。

まずマネジメント側にはフェアな契約内容というものを知ってもらい、業界で取り交わされる選手とのマネジメント契約、および選手契約が不要なトラブルを生まないフェアなものに変えていってもらいたいと思っています。

そして選手側には提示された契約書と本契約書を比較して自分の不利な部分に気づき、契約にあたり修正等の依頼を出せるようになってもらいたい。それが結果として、マネジメント側と選手の健全な未来につながることを切に望んでいます。

奇しくも先日、格闘ゲーム「ストリートファイター」の選手を中心とした選手会が立ち上がりました。多くの選手が参画し、選手会を通してマネジメント側と公平な交渉ができるようになることも期待しています。私自身、選手会との関係性はありませんが、必要とされれば全面的に協力する姿勢です。

常々、僕の言動は時に業界関係者にとって不都合な事もあるだろうと自覚しています。ですが、何もやらずに「変わるべき」と唱えるだけじゃなく、自ら変わるきっかけとなる行動をおこすことを信条としているため、時に摩擦を生む事も覚悟しています。

◇◇◇

今月中に契約書テンプレートを企業の公式サイトからもダウンロードできるようにし、より多くの人に拡散したいと語る工藤さん。好きなことを仕事にした人々が、より生きやすい環境が整うことを切に願いたい。

工藤貴之さん関連情報

グローバルセンス株式会社:https://gb-sense.com/

ProGamersWorld(PGW):http://progamersworld.com/

Twitter:https://twitter.com/GsKudo/

Note: https://note.com/tkudoh/

(よろず~ニュース特約・野中 比喩)

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