ガシャポン、ガンプラ両社が一体でサステナビリティプロジェクト実施「社会への責任果たす」

 エンターテインメント企業のバンダイは2日、東京・台東区の本社でバンダイ・BANDAI SPIRITSサステナビリティプロジェクト「未来・クリエイション」発足発表会見を開いた。竹中一博社長は「うちの商品を買うと、少し社会の役に立つと思ってもらいたい」と意気込みを語った。同プロジェクトアンバサダーを務める女優の岡崎紗絵も参加した。

 1983年に作成されたスローガン「夢・クリエイション」をモチーフに、両社の全社員で取り組むプロジェクト。「トイホビー事業拠点の二酸化炭素排出量15%削減」「安全安心の商品・サービスの提供」「未来を担う子どもたちに向けた教育・体験価値の提供」の3つの目標を掲げ、持続可能な社会を促進する。

 空調温度、照明利用を節制し、グリーン電力導入などで二酸化炭素排出量を2019年の9423トンから2024年に8000トンへの削減を目指す。22日からは同本社で「トーマス・エジソン特別展」を開催し、28日からこどもの職業・社会体験施設「キッザニア東京」内にパビリオン「おもちゃ工場」を出展するなど、教育系イベントに取り組む。

 カプセルトイ「ガシャポン」を販売するバンダイは、2021年9月から「ガシャポン カプセルリサイクル」を、ガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」を展開するBANDAI SPIRITSは同年4月から「ガンプラリサイクル」を実施。同社の担当者は「これらは事業ごとの取り組みでしたが、両社の全社員を挙げて全社的に取り組もうという気運が高まりました」と経緯を説明した。

 近年は環境、人権、動物愛護などの観点から、長い歴史を持つ製品、サービスの見直しが余儀なくされるケースも散見される。プラモデル商品を扱う同社にとっても、担当者は「強硬な意見が来ているというわけではありません」とした上で「そのような状況は知っていますが、そうでなくとも、何もしないわけにはいきません。社会への責任を果たすため、例えばプラモデルのプラスチックでも強度と環境への配慮のバランスを考えながら、研究を進めています」と語った。

 別素材で分離していたガシャポンのケースを同素材で一体化させ、ガンプラのランナーを回収するなど、リサイクルへの意識を高めてきた両社。それでも同担当者は「まずは安全安心な商品をつくることが第一です」と、ファンに対する責任感を口にしていた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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