国税職員→吉本の異色芸人が38歳で東大入学 「ギリギリ間に合った」1日20時間勉強で三度目の正直

 東大文科二類に合格した吉本興業所属の芸人・さんきゅう倉田(38)が12日、東京・日本武道館で行われた入学式に出席した。4年間の期限を自身に設け、ラストイヤーの3度目受験で赤門をくぐった倉田は「ギリギリ間に合った。東大生になったという実感がある。入学式もそうだし、日々話している仲間たちと話すことで、やっぱり東大生だと感じる。今まで僕が出会った若者と全員違う」と喜んだ。

 38歳の新入生は「東京大学入学式」と書かれた看板の前で、母親と写真に収まった。日大理工学部卒業後に東京国税局に入庁し、24歳で退職。NSC(吉本総合芸能学院)東京校に入学した。おかずクラブ、鬼越トマホーク、横沢夏子らと同期という異色すぎる経歴を持つ。

 倉田は「お金や税金のことをSNSで発信し、それが仕事につながっていって今がある。もっと学びを深めないといけないと思った。税法とか、行動経済学とか。私がメディアなどで発信することで(SNSの)フォロワーや仕事をくださった方の金融リテラシーが向上したらいい。学びたいだけじゃなくて、面白さは芸人として重要だと思った。早稲田や慶応に受かったとしても、いっぱいいるのでたぶん面白くないじゃないですか」と、東大一本に絞った理由を話した。

 芸能活動や執筆のかたわら、東大受験専門塾に入塾。勉強時間は1日10時間、13時間…と増えていき、最終的には20時間を受験勉強に費やした。合格のコツを問われ「すべての時間を勉強に捧げる。歩いている時は、日本史の問題を頭の中で解きました。眠れなくて目をつぶっている時も、頭の中で書いていた。遅れているなと思ったら、やった方がいい」と事もなげに語った。

 千原せいじ(53)と公私ともに親しく、合格は真っ先にせいじに報告した。東大を志した理由の中に、せいじの役に立ちたいという思いが大きな割合を占めるという。「僕の学び次第だと思うんですけど、タレント業以外にもせいじさんはご興味を持っていらっしゃる。何か一緒にそのプロジェクトに関われるように」。吉本芸人6000人の中で「最もお金に詳しい」との異名を持つ倉田に「現役東大生芸人」というセールスポイントが加わった。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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