本屋大賞に凪良ゆう氏が大粒の涙 「汝、星のごとく」で2度目受賞 前回は緊急事態宣言下
全国の書店員が、1年間に出た小説から一番売りたい本を投票で選ぶ「2023年本屋大賞」の発表会が12日、都内で行われ、大賞作に凪良(なぎら)ゆう氏の「汝、星のごとく」(講談社)が選ばれた。
2020年の「流浪の月」以来となる2度目の受賞。凪良氏は「3年前は緊急事態宣言と重なってしまい、会場にすらたどり着けなかった。応援してくださった書店員さんにお礼の言葉すら言えず、喜びを分かち合えなかったことが3年間、ずっと悔いになって残っていました」と述懐した。
担当編集者から「『流浪の月』の分まで書店さんに行こう」と励まされたといい「こんなにたくさんの書店員さんが応援してくださっていると…。夢のようにうれしいが夢ではなく、書店員さんひとりひとりが作ってくださった現実です。『汝、星のごとく』を応援してくださったすべての方々が、私にとっての輝ける星です」と続けると、大粒の涙を流した。
「汝-」は、瀬戸内の島を舞台に、17歳で出会った男女の恋愛や成長、挫折の15年間を描いた物語。凪良氏は「自分の人生を、自分で選んでいく。そういうメッセージを描いています」とし「平凡な人はいない。どんな人生でも、その人なりのドラマは絶対ある。そのドラマをていねいに書き出していくいくことが小説のひとつのかたち。今作はそれを意識して、人物ひとりひとり書き出していきました」と、作品に込めた思いを明かした。
(よろず~ニュース・杉田 康人)