舞台「パラサイト」いよいよ開幕!古田新太「映画を観た人も“うまい”とうなる仕上がり」自信見せる

 第72回カンヌ国際映画祭で韓国初となるパルム・ドールの受賞を果たし、第92回米アカデミー賞では非英語作品として史上初の作品賞受賞のほか監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の計4部門受賞という快挙を成し遂げた、映画「パラサイト 半地下の家族」が日本で舞台化される。

 舞台を韓国から90年代の日本の関西へと移し、台本と演出を鄭義信(チョン・ウィシン)が手がけ、ひと味違う世界観を描く。今春オープンした新宿・THEATER MILANO-Zaでの開幕を翌日に控えた4日、同所で取材会が行われ、古田新太、宮沢氷魚、伊藤沙莉、江口のり子らメインキャスト陣と鄭義信が登壇した。本番に向けて意気込みを聞かれると、鄭義信は「映像とは違った、演劇の世界を楽しんでもらいたいです。すばらしいキャストたちと力を合わせて、楽しいものをお届けできれば」と明かした。

 原作が大きな話題を集めただけに、出演者にもプレッシャーがあるのではという質問に、古田は「設定が日本になって、住んでいるところが堤防の下にあるトタン屋根の集落になってるんですね。韓国の半地下文化がない中で、鄭さんがそこをとてもうまく置き換えてつくられています。結末も違うので、映画を観た人たちもきっと“うまい!”と膝を打つことになると思います」と笑顔で自信をのぞかせた。

 また、古田の娘役を演じる伊藤は「時代設定から映画とは違うところが多いので、だからこその違いを楽しめるような作品になっていると思います。日本特有の貧富の差になっているというか。どこが同じでどこが違うというより、別の世界戦のパラサイトになっていると思うので、そこを楽しんでほしいです」と述べた。

 唯一オリジナルキャラクターとして登場するみのすけは「映画で登場する、家政婦の旦那さんの役割を僕が担ってるんですね。僕は後半にいろいろと動き出すのですが、この作品には悪い人間は一人も出てこないんですよ。なぜこうなってしまったのか、それがみんな家族を守るためなんだってことを感じたので、そこをお伝えできたらいいですね」と言及した。 

 鄭は「映画のようなスペクタクルは見せられませんが、人間同士のスペクタクルをお見せします。人間そのものの濃さや、互いの思いが錯綜する話になればいいなと、実際そうなっていると思います」と明かす。

 「パラサイト」舞台化発表の際、古田は「僕は“日本のソン・ガンホ”と言われてるようですが、僕の方が年上なので表現が逆だと思う」とユーモラスにコメントを寄せていたが、舞台関係者が韓国に足を運びソン・ガンホと対面。その時に「僕が“韓国の古田新太です”」と言われたことを聞かされ、「もうそれで満足しています」と笑った。

 舞台が関西であるため、古田新太、江口のり子、キムラ緑子、山内圭哉以外は関西のイントネーションの訓練が必要となった。その習得具合に山内は「皆さんすごく上手です。実際関西弁の音を取るのはとても難しいんですけどね。全員クオリティーが高いと思います」と感嘆した。宮沢は「マスターできてるか分かりませんが、すぐそばで教えてくれる人たちがいたので、恵まれてました。シーンを終えて、すぐに修正をしてくださったので、とてもやりやすかったです」と打ち明けた。

 古田は初日に向けて「セリフを間違えないようにしたい」といたずらっぽい笑みを浮かべ、終始和やかムードでの会見となった。

◆THEATER MILANO Za オープニングシリーズ/ COCOON PRODUCTION 2023

「パラサイト」

 堤防の下にあるトタン屋根の集落。川の水位より低く一日中陽がささず、地上にありながら地下のような土地で金田文平(古田新太)の家族は家内手工業の靴作りで生計を立てて暮らしている。一方対照的な高台にある豪邸では、永井慎太郎(山内圭哉)、妻の千代子(真木よう子)、娘の繭子(恒松祐里)、引きこもりの息子賢太郎がベテラン家政婦の安田玉子(キムラ緑子)とともに暮らしている。文平の息子の純平(宮沢氷魚)は妹の美姫(伊藤沙莉)が偽造した大学の在籍証明を利用し、繭子の家庭教師としてアルバイトを始める。息子の賢太郎のアートセラピーの教師として、美姫が、慎太郎の運転手や玉子がクビになるように仕向け、その後釜に、文平と妻の福子 (江口のりこ)が、と一家は永井家に寄生していく…。

原作:映画「パラサイト 半地下の家族」

台本・演出:鄭 義信

出演:古田新太、宮沢氷魚、伊藤沙莉、江口のりこ

キムラ緑子、みのすけ/山内圭哉、恒松祐里、真木よう子

青山達三、山口森広/田鍋謙一郎、五味良介、丸山英彦、山村涼子、長南洸生、仲城綾、金井美樹

公演日程・会場

・東京

2023年6月5日(月)~7月2日(日)THEATER MILANO Za(東急歌舞伎町タワー 6階)

・大阪

2023年7月7日(金)17日(月・祝)大阪・新歌舞伎座

企画・制作

Bunkamura SUMOMO レプロエンタテインメント

製作・東京公演主催

Bunkamura SUMOMO 朝日新聞社 レプロエンタテインメント TSTエンタテイメント

大阪公演主催

新歌舞伎座 ABCテレビ

大阪公演協力

サンライズプロモーション大阪

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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