楳図かずお 手塚治虫と“決別”した理由明かす 手塚治虫文化賞贈呈式あいさつで笑い呼ぶ

 年間を通じて最も優れたマンガ作品に贈られ、朝日新聞社が主催する第27回・手塚治虫文化賞の贈呈式が8日、都内の浜離宮朝日ホールで行われた。ホラー、SF、ギャグと幅広い分野でのマンガ文化への貢献と昨年に27年ぶりに発表した新作に対して、特別賞(マンガ文化の発展に寄与した個人・団体)を受賞した漫画家の楳図かずお氏(86)が、喜びのあいさつを行った。

 「漂流教室」「まことちゃん」「わたしは真悟」「14歳」「おろち」など数々の名作を世に送り出し、昨年には1995年に完結した「14歳」以来となる新作を、自身の展覧会「楳図かずお大美術展」で発表した楳図氏。トレードマークの赤と白のボーダーシャツにジャケットを羽織った。

 楳図氏は冒頭で、手塚治虫の長男で映像作家の手塚眞さんがビデオメッセージで「楳図先生は手塚治虫とは違う日本のマンガを築かれた」と挨拶した点に触れ、「確かにそうですが、僕も小学4年生の時、手塚治虫の『新宝島』から入り、5年生の時には夢中になって手塚治虫のマンガを読み、集めました」と回想。「でもある時、同級生に『貸して』と言われて、ヤバいなと思いながらも貸してしまった。返して、と言ったら『借りた覚えはない』と言われてしまった。そこで、もう手塚治虫はやめようと思いました。だから手塚治虫と関係ないことはないんです」と会場の笑いを誘った。

 文化賞のさらなる発展を祈念し、受賞挨拶を締めくくった楳図氏。最後に会場の来場者と一緒にお祝いの意味を込め、ポーズのみで「カンパーイ」と音頭を取った。

 同授賞式にはマンガ大賞に輝いた「ゆりあ先生の赤い糸」の作者・入江喜和(いりえ・きわ)氏、「断腸亭にちじょう」で新生賞に選出されたガンプ氏、「女の子がいる場所は」で短編賞を得たやまじえびね氏も出席。選考委員で芸人・漫画家の矢部太郎、楳図氏のトークイベントも実施された。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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