受け継がれる伝統の味「ホルモン焼き」 ワンコインで楽しめるボートレース場の名物は女性にも大人気
ギャンブル場での楽しみのひとつに「グルメ」がある。予想が当たってもうかれば味も一層おいしく感じられ、負けが込んでいてもパワー補充でいただく。各場に名物があり、それぞれ個人的にお目当ての一品もあることだろう。「よろず~ニュース」では、全国の公営レース場から、そんな『勝負メシ』を紹介していく。
大阪市・ボートレース住之江場内のフードコート「勝」は5月1日にオープンしたばかりだが、看板メニューがある。同じ場所で約40年営業をしていた食堂「ニュートップ」から受け継いだ「ホルモン焼き」だ。以前の食堂から移籍した店長の小宮幸治さん(66)は「人気がありますねえ」と胸を張る。
数種類のホルモンをボイルして丁寧に臭みを取ってから焼く。そのホルモンに「普通」「中辛」「辛口」の3種類から自由に選べるソースをかけていただく。これで1皿450円はお得。同じく人気のホルモン丼(600円)を合わせると、1日平均50キロのホルモンが客の胃袋に入る。ビッグレースの時など100キロが一日でなくなることもある。
こだわりは以前の店と変わらないソースだ。市販の焼肉のタレに、豆板醤、甜麺醤、濃い口醤油、にんにくなどを独自のブレンドで配合。「甜麺醤が多めに入ってるので、少し甘めですね」と小宮さん。ソースにとろみをつけるための工夫も施されている。
さっそく、「普通」のソース味を注文した。臭みの全くないホルモンに甘辛いソースが絡みつく。適度にかみ応えがあって、ボリュームもある。七味をふりかければ、いいアクセント。キンキンに冷えたビールと合うのは間違いない。
新メニューの「どて焼き」(500円)も人気。4時間ボイルした牛すじ肉と白味噌、こんにゃくなどを入れて3、4時間炊く。小宮さんが「丁寧にアクを取って、飽きの来ない味にしています」と話すように、非常に手間暇をかけた一品。食べてみると、牛すじ肉は歯を使う必要がないほどやわらかい。少し甘く、ホッとする味だ。
気軽に入れるようにと、食堂の壁を取っ払い、開放的なフードコートにした。女性だけのグループで、ホルモン焼きとハイボールを楽しむ姿も見られるという。「以前の常連さんが来てくれますし、店が新しくなってから来てくれる人もいらっしゃいます」と小宮さん。気軽にボートレースを楽しみながら、ワンコインでいただける伝統の一品を味わってみるのもいいのでは。
◆ボートレース住之江 大阪府大阪市住之江区泉1-1-71。地下鉄・四つ橋線「住之江公園駅」北改札2号出口から徒歩3分。
(よろず~ニュース・中江 寿)