ベトナムで高まる日本アニソン人気!日本語で歌う人も 声優・松本梨香も出演、日越友好50周年で記念フェス
いまや日本のアニソンは世界的に人気のある重要コンテンツだ。最近ではアニメ『推しの子』の主題歌「アイドル」がアメリカのビルボード・グローバルチャートで首位を獲得したのも記憶に新しい。
また、常に世界中で人気の作品の一つである『ポケットモンスター』は、アニメのみならずゲームの人気も衰えを知らない。
そんなアニメ『ポケットモンスター』の主人公・サトシの声優を務め、同作品の主題歌「めざせポケモンマスター」を歌っている松本梨香さんが、8月4日にベトナムのホイアン市で行なわれる「日越友好アニソンフェスティバル」に出演することが決まったそうだ。
2023年、日本とベトナムは外交関係を結んでちょうど50年を迎える。それを記念して行われる催しということだが、なぜアニソンなのだろうか。今回のイベントを立ち上げた、ベトナムに8年住み、日本の文化を広める活動をされている松尾英子さんに話を伺った。
ーーベトナムでも日本のアニメは人気なのでしょうか。
松尾:ベトナムは超親日国です。私の夫も知り合った時から超親日家ですが、そうなったきっかけは、日本のアニメやゲームです。夫に限らず、ベトナムには「Wibu(ウィーブー:日本オタクの外国人を指す呼称)」がたくさんいます。日本で働いたり日本語を勉強したりするベトナム人のほとんどは、アニメで日本語や日本の文化に興味を持って日本のことを好きになってくれています。
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ベトナムでアニメを視聴する際は、日本語音声・ベトナム語字幕で楽しむ人が多いのだとか。アニソンも翻訳なしでオリジナルのまま聴く人が多いという。日本でもスタンダードなアニメとして知られる「ドラえもん」などのアニメには吹き替え版や主題歌のベトナム語のカバーソングなども存在するそうだ。
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ーーベトナムでは日本のアニソンにどのような印象を持たれている方が多いと思いますか。
松尾:Wibuにとっては憧れ、トレンド、価値のあるものとして大変好まれています。私の知人も日本語学習者ではありませんが、アニソンは日本語のままカラオケでかなり上手に歌うことができ、オタクは万国共通だなと実感しました。一方、Wibu以外には「アニソン」としての認知度はまだ低いですが、TikTok等で近年アニメで使われている楽曲はよく聴かれたり知られたりもしています。
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松尾さんは、これまで着物や日本の伝統などを通して日本の文化を世界に伝えたいと考えていたそうだ。だが、ベトナムに移住してから多くのベトナム人と接することで、アニメこそ日本の文化を伝えるのに非常に大きな役割を果たしていると実感し、今回のイベントの開催を実現するために行動に移したという。
また、ベトナムには検閲など社会主義による影響のために自由な経済活動ができないという事情がある。最近はアニメもNetflix等で視聴できるようになったものの、エンタメを堪能する手段は未だ限られおり、イベントの開催すらも厳しい状況だった。しかし今回はその壁を超えることができ、それもアニソンだからこそ実現が叶ったのだという。
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松尾:アニソンには「愛」「仲間」「勇気」「信じること、諦めないことの大切さ」など、世界中で普遍的な意味を持つものが多いはずです。検閲に触れることが少ないであろうアニソンは、ベトナムの市場にも非常にマッチしていると考えます。そして、ベトナムのWibuの方々の多さ、そして今後の日本の印象、日越の友好のためにもとても可能性があり重要なコンテンツだとも思うのです。
そこで、私達は「日本のアニソン歌手を呼んでコンサートをする」という挑戦をすることにし、お招きしたいと思ったのが、老若男女・世界中の人々に愛されているポケモンの主人公と声と主題歌を務められている松本梨香さんでした。
ーー今回行われるイベントを機に、今後どのように日本のアニソンを伝える活動をされるか教えてください。
松尾:定期的にアニソン歌手を招致しイベントを行うのはもちろん、今プロジェクトのファンページ等からアニソン情報を発信したり、アニメやコスプレ等のイベントともコラボしたりする予定です。また、「歌ってみた」や「踊ってみた」等でアニソンがもっと身近に楽しめるようになり、それをきっかけに日本語学習者が増えたり日本をもっとトレンドな感じで好意的に受け取ってくれる人が増えれば良いと思っていますので、SNS上でもそういったことを仕掛けていきたいと思います。私達が幼少期から今までそれぞれの時代にアニソンを楽しんだように、ベトナムでも「あの青春の頃のアニソン」といった思い出を持つ人が増えていき、「今」そして「未来」の日本とベトナムの関係をもっと近づける重要なコンテンツになれば良いと考えています。
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本イベントは前述にもあるように、ベトナムでは外国人歌手が興行をする前例が少ないことから、非営利で行うことを条件として開催されることになった。今回に限らず、今後もより自由に日本のアニソン歌手がベトナムでコンサートを行うためにもクラウドファンディングでの支援を募集し、1人5000円から支援が可能である。詳細はCAMPFIREで実施中のクラウドファンディング「ベトナムにアニソンを普及さるためにアニソンコンサートを成功させたい!」を参照いただきたい。
なお当日のライブの模様はYouTubeチャンネル「AFO Vietnam - Japan Anison Festival Organization」で無料生配信。日本時間2023年8月4日21時30分から放送開始予定なので、多くの方に視聴していただきたいと思う。
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(よろず~ニュース特約・山下めぐ)