伝説の特撮ドラマ「バロム・1」のヒーロー俳優が「怪獣プロレス」に電撃参戦!旗揚げ戦は9・28秋葉原

 怪獣やUMA(未確認動物)を取り入れた新団体「怪獣プロレス」がこのほど、東京・上野不忍池水上野外音楽堂で「予告編」と題したイベントを行い、旗揚げ戦が9月28日に都内のライブ会場「パームス秋葉原」で開催されることを発表。さらに、伝説の特撮テレビドラマ「超人バロム・1」(1972年放送、東映・よみうりテレビ制作)の主演俳優・高野浩幸がリングに登場し、“電撃参戦”を表明した。

 半世紀前の小学生たちは互いのひじ部分をがっちり重ね合わせて「バロ~ム・クロス!」と叫んでいた。2人の少年が合体して「バロム・1」(バロムワン)に変身する時の決めゼリフとポーズだ。

 高野は、その少年の1人である白鳥健太郎を演じた。2日に行われたイベントでは、リアルタイム世代である怪獣プロレス代表の雷神矢口から「僕らの世代のヒーローが参戦してくださいます」という呼びかけに応じて、リングに登場。矢口から「昭和、平成、令和と、すべてのウルトラシリーズに出られています」と紹介されると、高野は「昭和ではウルトラセブン、平成はティガ、令和はタイガに出ています。たぶん、3世代で出ているのは僕だけだと思います」と補足した。

 ちなみに、高野が出演した「ウルトラセブン」とは、実相寺昭雄監督による名作と評される 第45話「円盤が来た」(68年)で、ペロリンガ星人が人間と化した時の少年を演じた。昭和の同シリーズでは「帰ってきたウルトラマン」(71~72年)にも出演している。平成の「ウルトラマンティガ」(96~97年)には預言者として、令和の「ウルトラマンタイガ」では第6話「円盤が来ない」(2019年8月放送)で「星に帰りたい男」の役を演じた。

 特撮だけでなく、寺山修司監督の映画「田園に死す」(74年)で主人公の少年時代を演じ、NHK少年ドラマシリーズ「なぞの転校生」(75年)の主演など幅広く活躍してきた。「参戦」というアナウンスに「プロレスデビューか?」との憶測も飛んだが、高野は「プロレスはしません。俳優です」ときっぱり。矢口も「役者として出ていただきます」と説明した。さらに、旗揚げ戦では別の特撮ドラマ出演俳優も登場予定だという。

 また、矢口から、ティム・バートンらハリウッド映画の巨匠たちからも注目されている怪獣造形作家・赤松和光氏がキャラクターデザインに加わることも明かされた。旗揚げ戦には精巧な技術を施した怪獣の登場が期待される。

 だが、この日のリングには、手作り感のある「八尺様」と「イエティ」が顔見せした。「八尺様」とは、インターネットの掲示板で広がった都市伝説に登場する女性の妖怪で、身長が8尺(約240センチ)あり、白いワンピース姿で「ぽぽぽ…」という声を発しながら、見入ってしまった子どもを連れ去るという。「イエティ」は国際的にも有名で、ヒマラヤ山脈に住むとされる雪男のUMAだ。

 そのUMAといえば、広島県内の山中に生息するという獣人系の「ヒバゴン」参戦も公表されている。矢口は「8月13日に広島県西城町で開催される夏祭り『ヒバゴン郷どえりゃあ祭』に参加して、ヒバゴンに会ってきます」と現地に先乗りしてのUMA探索に意欲を示した。

 旗揚げ戦は、日本テレビの全日本プロレス中継を担当した若林健治アナウンサーが実況し、怪獣やUMA研究の第一人者である山口敏太郎氏と中沢健氏が解説を務める。

 では、どのような興行形態になるのか。矢口は「秋葉原の会場は大型ライブハウスの規模と設備があります。音響や照明なども含め、総合的にエンターテインメントとして見ていただくという団体の趣旨に沿って選びました」という。米バークリー音楽大学ジャズ作曲科卒のミュージシャンでもある矢口だけに、音楽にもこだわっていく。

 プロレスファンだけでなく、怪獣、特撮、都市伝説やUMAなどに興味を持つ層をターゲットに、音楽表現にも力を入れたサブカル的要素の強い文化系路線をアピールしていくことになりそうだ。

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)

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