吉本新喜劇の桑原和男さん死去、87歳 「ごめんください!ありがとう」「神様、神様~!」
吉本新喜劇の桑原和男(くわばら・かずお=本名・九原一三、くはら・かずみ)さんが10日、老衰のため死去した。87歳だった。所属する吉本興業が発表した。通夜は11日、葬儀告別式は12日に近親者で執り行う。「葬儀告別式の場所、自宅住所、喪主は非公表とさせていただきます」とした。
桑原さんは1936年2月 23日生まれ、福岡県小倉市(現北九州市)出身。1955年、高校卒業後、教師を志し、福岡の教育大学を受験したのち、大阪で夢路いとし・喜味こいしに弟子入り。同年に新芸座に入った。
1956年、秋田實が立ち上げた上方演芸株式会社発足と同時に漫才師となり、「原こちら」の芸名で漫才の舞台に。3回コンビ別れを経験。3人目の相方は平参平だった。1961年、吉本新喜劇の前身「吉本ヴァラエティ」に入団、1970年代に座長に抜擢。1989年の『吉本新喜劇やめよッカナ?キャンペーン』ではベテランとして残留し、新喜劇の復活を支えた。
1992年 「上方お笑い大賞」金賞を受賞。2000年7月に急性心筋梗塞で手術し入院、静養を経て2000年12月に舞台復帰。その後、体調に配慮しながら活動を続け、2018、19年には「コヤブソニック」、2019年3月には「60周年だよ!よしもと新喜劇」に出演。2020年10月の「よしもと大笑い祭り寄席」が最後の舞台になった。
最近では、2022年11月になんばグランド花月に来場し、車いすで新喜劇を観覧していた。座長時代までは普通の好青年役を多く務めたが、その後は小柄でやさしい顔立ちであることから、母親役やおばあさん役といったいわゆる女形「桑原和子」を務め、和子ばあちゃんは新喜劇ファンのみならず、関西ではお馴染みのキャラクターになった。
代表的なギャグは「ごめんください!(どなたですか?・・・)(お入りください)ありがとう」、垂れ乳を取り出し自分で揉みだす一人芝居、ツィゴイネルワイゼンのBGMに合わせて「神様、神様~!」と一人しゃべりを始めるものなどが有名だった。
(よろず~ニュース編集部)