UMA「ヒバゴン」が半世紀ぶり登場!広島の地元住民は怖い?楽しい? 9月に秋葉原でプロレスデビュー
獣人型UMA(未確認動物)「ヒバゴン」が公式キャラクターとなっている広島県庄原市西城町の夏祭り『ヒバゴン郷どえりゃあ祭』が13日に開催され、その場で「ヒバゴン」を造形したキャラクターが披露された。現地を訪れたプロレス団体「怪獣プロレス」代表のプロレスラー・雷神矢口(矢口壹琅)と地元関係者に現場の様子や今後の展開について話を聞いた。
目撃情報が社会的な話題となってから半世紀余り。ついに、ヒバゴンがお膝元でその姿を現した。
もっとも、本物のUMAであるならば世界的な大ニュースになっているはずだが、警察も消防も自衛隊も動物学者も大手メディアも現地に殺到することはなかった。とはいえ、「中に人が入った“着ぐるみ”だろう!」と目くじらを立てるのは野暮というもの。都市伝説、UMAとプロレスの融合という虚実皮膜のエンターテインメントにおいて、観る者にリアリティーを感じさせるキャラクターであり得るかということでいえば、中国地方の山間部にある人口3000人の町では強烈なインパクトを残したようだ。
まず、ヒバゴンは現場で矢口を急襲して“遺恨”が勃発。この日、東京から新幹線とレンタカーを乗り継いで片道6時間、単身で西城町入りした矢口は、ヒバゴンの目撃地であり、その名の由来となった比婆山(ひばやま)を散策中、待ち構えていた“獣人”に襲われたという。矢口は「圧倒的なパワーであっという間に打ちのめされ、観光協会の方が震える手でその一瞬をカメラに収めた」と証言。いずれにしても、「全身毛むくじゃらで、二足歩行の類人猿タイプ。顔は逆三角形」という目撃情報を忠実に再現したビジュアルが写真に収められていた。
矢口は「アントニオ猪木さんが新宿・伊勢丹前でタイガー・ジェット・シンに襲われたあの事件を、もしかしたらヒバゴンは知ってるのかもしれないな…。おもしれぇじゃねぇか…。旗揚げ戦は、ヒバゴン対雷神矢口に決定じゃあ!!」と絶叫。9月28日に東京・秋葉原で開催される旗揚げ戦での一騎打ちが決定した…というプロレス的な文脈ができた一方で、“ヒバゴン”は夏祭りの輪の中で町民と交流した。その姿を目撃した地元の人たちはどう感じたのだろうか。
西城町観光協会の岡崎優子事務長は「個人的にはヒバゴンのイメージにピッタリでした(※ただ、身長約1・5メートルという目撃情報に比べると、思ったより大きいですが…笑)。一見、迫力があり、怖くも見えますが、優しい眼差しを見ると『ヒバゴンらしいなぁ』という感想です。矢口さんを殴打したのは(ヒバゴンが)ビックリしたのかなと思っています」とニッコリ。
さらに、岡崎氏は「(ヒバゴンが)祭に参加された時には、大人や若い方々からは歓声が上がっていましたが、子どもさんは少し怖がっており、抽選会の商品を渡される際も少しビクビクしていました。ヒバゴンレスラーさんはそれを察知して、かわいく優しい動きで子どもさんたちと精一杯触れ合ってくださり、子どもさんたちも楽しかったようです」と現場の様子を報告した。
一方、帰京した矢口は当サイトに「西城町は自然が豊かで町並みは昭和そのもの、人は優しく、子どもの笑顔が純粋で素敵なところでした。行って知ったのですが、比婆山はスサノオのミコトがヤマタノオロチを退治した場所であり、イザナミノミコトの御陵があるところだそうです。古代から比婆山信仰というものがあり、ここはかなり重要な聖地であるということが分かりました。素直な心で、夢のある古(いにしえ)の伝説を大切に守っている人々が住む場所には神様がいると感じます。きっとヒバゴンはいると確信しております」と思いを吐露した。
「ヒバゴンを巡る物語」は、真夏の広島・西城町から初秋の東京・秋葉原へと舞台(リング)を移す。
矢口は5月の団体旗揚げ会見後、「特撮映画の怪獣の着ぐるみは暑さと酸欠で1分以上動くことは難しいと聞いておりますので、その素材を吟味し、従来のマスク職人とコラボし、全く新しいスタイルの、試合ができる怪獣のフルコスチュームを考案していきます。怪獣ショーとは全く違う形で、きっちり技や動きを監修し、中身は本物のプロレスラーに入ってもらいますので、プロレスの技術は本物です」と自信を示した。今回は、一足早い、「ご当地限定」のお披露だったのかもしれない。
岡崎氏は「9月の秋葉原には必ずヒバゴンが登場し、皆さんの心に響くパフォーマンスを見せてくれると期待しております。都合が合えば、私もヒバゴン探検隊の実行部隊長として観覧し、応援したいと思います!」とエールを送った。
(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)