韓国女優 ソ・イェジ、元恋人への心理的虐待疑惑 広告主から損害賠償請求も事務所のみに返還命令

 Netflixドラマ「サイコだけど大丈夫」に出演し一躍人気を集めた女優のソ・イェジに、校内暴力疑惑や元恋人へのガスライティング(心理的虐待)疑惑が浮上し、当時契約中だった広告会社のユハン健康生活がソ・イェジと所属事務所のゴールドメダリストを訴えていたが、最近これに終止符が打たれた。

 聯合ニュースをはじめとする複数の韓国メディアによると16日、ユハン健康生活がソ・イェジと所属事務所を相手取り起こしていた訴訟で、ソウル中央地裁民事合意25部は10日、契約解除にともなう返還責任だけを認め「所属事務所は、2億2500万ウォン(約2250万円)と遅延利息を支払うこと」と判決を下したという。

 ソ・イェジは2020年1月まで、ユハン健康生活と4億5000万ウォン相当で契約を結び、乳酸菌製品のCMに出演。しかし2021年4月に元恋人へガスライティングをしていたといううわさが拡散され、さらに校内暴力疑惑や虚偽学力疑惑までが登場、物議をかもすこととなった。

 これを受けてユハン健康生活は、契約内容の一部条項を根拠にソ・イェジに12億5000万ウォン、所属事務所に15億ウォンの違約金を要求。

 契約書には「広告モデルが飲酒運転、ひき逃げ、暴行、学校暴力、麻薬などの疑いで立件されたり、これを認めたりするなど、公人として品位を損なう行為をしてはならない」という条項が明記されていたという。

 所属事務所は一連の疑惑について、事実無根を主張したが、同社は「ソ・イェジが品位維持約定に違反した」という理由で契約を解除。モデル料、違約金、損害賠償を請求する訴えに至った。

 裁判所は「“品位維持違反”と解釈した場合、契約交渉段階でソ・イェジが過去にあった品位維持義務違反行為を明かすことを強要するという結果をもたらす」とし「これは憲法上重大な基本的人権の侵害だ」と指摘。

 また疑惑の事実可否に関係なく、ソ・イェジのイメージダウンにともないユハン健康生活が広告モデルの契約を解除したことは適法だったとしている。

 事の発端は「愛の不時着」に出演し、日本での知名度を上げた俳優のキム・ジョンヒョンが2018年に出演したドラマ「時間」の制作発表会での行動だった。会見中は終始暗い表情で、質問にもまともに答えないという態度を見せただけでなく、ともに主役を務めた少女時代のソヒョンとのフォトタイムでは、なんと腕を組むことを拒んだのである。人気絶頂だった少女時代メンバーへの不快な態度は、当然多くのファンから痛烈に批判されることとなった。

 しかしその後もキム・ジョンヒョンは、撮影中に度重なる奇行や要求をしていたことが発覚、最終的に“異例”とも言われるドラマの途中降板をしている。

 時を経て「愛の不時着」で俳優として息を吹き返したかのように見えたキム・ジョンヒョンだったが、同時に2018年当時の行動が恋人だったソ・イェジに操られていた可能性が浮上。2人の衝撃的な会話の録音テープが流出するなど芸能界に大きな衝撃を与え、また「ガスライティング」という言葉が広まるきっかけともなった。

 ソ・イェジは謝罪文を発表し、一定期間の活動自粛に入るも“悪女”というイメージが大衆に固定されてしまい、復帰後も低空飛行を続けている状態だ。

(よろず~ニュース・椎 美雪)

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