井上貴子35周年を白星で飾る、寺田恵子と松本伊代からも祝福「あともう少しだけ続けたい」

 女子プロレスレスラー・井上貴子(54)=LLPW-Ⅹ=が21日、東京ドームシティホールでデビュー35周年記念大会「ひとしずくの勇気」を白星で飾った。井上京子、桃野美桜と組み、神取忍&アジャコング&ウナギサヤカとの6人タッグ。16分35秒、デンジャラスジャッキーからの体固めで、自らウナギから3カウントを奪った。

 デビュー戦(全日本女子・1988年10月10日後楽園ホール大会)の相手で、10月に戴冠したディアナW.W.W.Dタッグ王座の相棒でもある井上京子。貴子に憧れプロレスラーを目指した桃野。好布陣の中で自ら先発し、神取とクラシカルな攻防で立ち上がるも、ウナギに仕掛けられ、6人が会場2階席までを練り歩く場外戦に発展。アジャのイス攻撃で苦悶の表情を浮かべ、リング復帰後も神取の裸絞めに苦しむも反撃。最後は裏拳で弱らせたウナギを、京子がカナダ式背骨折りの体勢で担ぎ上げ、コーナーポストから飛びながらウナギの頭部をマットにたたきつける合体技で勝利を決めた。

 試合後はアジャから渋々の口調で「良かったね。35周年おめでとう」と、神取から「今日は花を持たせたよ」と賛えられ、京子からは「あともうちょっと頑張ろうか」とねぎらわれた。貴子は「あともう少しだけ大好きなプロレスを続けたい」と誓い「来年は神取さんが還暦です。何か絶対にやりますのでよろしくお願いします」と呼びかけた。

 この日はダンプ松本、ジュリアら思い入れある面々が出場。前半終了後はリングで自身の楽曲「JEWEL」を生歌で披露した。

 駆けつけた親交の深いロックバンド・SHOW-YAの寺田恵子は「還暦過ぎても頑張って」と声を懸け、7月に還暦を迎えたとあって「熟女なめんなよ。貴子おめでとう」と名曲「限界LOVERS」を熱唱。4つ年上の松本伊代は、貴子にとってファッションをまねるなどした憧れのアイドル。ファンから「伊代ちゃーん」と声を懸けられると、「一緒に振り付けしてください。恥ずかしがらないでね。一番恥ずかしいのは私なので」と会場の笑いを誘い、貴子がリング脇で目を輝かせる中、元気いっぱいに筒美京平作曲の名曲「センチメンタル・ジャーニー」を歌い上げた。

 大会終了後、井上貴子は「最初から盛り上がってくれて良かった」とファンに感謝。京子とのベルト挑戦に向け状態が上がったことで、神取から打診され実現した今大会。40周年に水を向けられると言葉を濁したが、LLPW-ⅩからNØRIが再デビュー、キャサリンがデビューを果たすなど、新たな後輩が誕生し、京子との王座防衛ロードも控える。「35年たっても先輩がいて、後輩もいて、気持ち良くプロレスができている。京子さんもいる。できる限り続けたい」と今後を見据えた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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