参政党から離党勧告の武田邦彦氏が反論「どういう状態かはそのまま言わないといけない」党切り崩しも否定
参政党が党外部アドバイザーの武田邦彦氏(80)にアドバイザー辞任と党籍抹消を勧告したことについて、同党代表の神谷宗幣参院議員(46)が23日までに、同党の公式YouTubeチャンネルで経緯を説明。武田氏もYouTube上で反論し「僕と赤尾(由美)さん、吉野(敏明)先生がこの1年間で離れるということは、どういうことがあったか推察してもらいたい」と、党の支柱となっていた“ゴレンジャー”が雲散霧消したことを訴えた。
神谷氏ら党のボードメンバー(役員)は22日、都内の党本部で行った定例会見で、武田氏が「神谷が4億円使い込んでいる」などと事実と異なる情報の発信や日本保守党の動画番組に出演して党を批判したと説明。中部地方の政治団体との連携を提案し、支部や党員に「団体の代表を参政党の共同代表にする」などと自身の構想をあたかも決定事項のように伝え、党に混乱を招いたとした。
会見で「説明をすると2、30分かかってしまう。30分ほどの説明をアップするので、理解いただけると思う」としていた神谷氏は、22日にYouTubeで詳しい経緯を語った。「G党のK氏」「H氏が新党を立ち上げ」などと具体名こそ出さなかったが、武田氏が地域政党・減税日本代表で名古屋市長の河村たかし氏(75)を参政党共同代表にさせようとしたことを暗に示した。
神谷氏は「K氏を参政党に入れて運営の一端を担われてしまうと、参政党の形が大きく崩れてしまう。新しくできる党と合流だというような形に持って行かれてと、参政党を創り上げてきたものが壊れてしまう。何としてでも止めないとと覚悟を決めた」と話し、百田尚樹氏(67)の日本保守党旗揚げとからんだ党の分断、切り崩し工作だとした。
アドバイザー辞任と党籍抹消勧告を受けた武田氏は22日、YouTubeで「僕には連絡来てないですけどね。事前に連絡ないんですかね」と反論。神谷氏と武田氏、松田学氏(66)、赤尾由美氏(58)、吉野敏明氏(56)の“ゴレンジャー”が6月23日に国会内で会談した際、神谷氏から武田氏らをボードメンバーにするという結論に達しながらも、2時間後に神谷氏の秘書から「会議で決めたものは、ないことにしてくれ」旨の連絡があったことを明かした。
武田氏は「会議で決めたものをなしにしてくれって…組織ではありえない。2時間後に違う話になる。そういう人と話し合いますか。どうにもならないんですよ。話したことが無視されたり、コロッと変わっちゃう。何回繰り返して騙されれば、話を信じていいんですかね」などと異を唱えた。
切り崩し工作だという指摘には「参政党と減税日本が協力することはできないかという話はあった。1回話し合わなきゃいけない、という時に結局(参政党の幹部は)約束した場所に来なかった。全然違う形で進んだのに突如ああいうことを言われるとね、いくらなんでもひどい。河村さんにも失礼」と語気を強めた。
国政政党としての責任を強調した武田氏は「国民に厳粛な信託を受けた我々ですから、必ず参政党がどういう状態かはそのまま言わないといけない。事実のレベルがあまりに低い。国会議員を出している党として、税金ももらっているんですよ。悪いですよ、国民に」と批判。「僕が見間違った。国民に、僕たちが間違った参政党を言ってしまったことに反省。ひどい人には近づかないということですね」と支持者にわびた。
(よろず~ニュース・杉田 康人)