「桃鉄ワールド」100年プレイをレビュー カードやイベントなどもワールドクラスに

 KONAMIのNintendo Switch用ゲーム「桃太郎電鉄ワールド ~地球は希望でまわってる!~(桃鉄ワールド)」が先月16日の発売から約1カ月経過した。売上本数はすでに40万を超え、人気ストリーマーによる実況プレイ動画でも注目を集めている。

 「桃太郎電鉄」は、今年35周年を迎えたすごろくゲーム。プレーヤーは会社の社長となり、各地を巡って物件を買い集め、総資産ナンバーワンを目指す。2020年に発売された前作「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」は、累計出荷本数が400万本を超える大ヒット。逆転要素が強く、相手にいじわるな行動もできるゲーム性から、白熱のあまり友人の本性が見えることも。ネット上では“友情破壊ゲーム”と呼ばれることもある。

 3年ぶりの最新作となる「桃鉄ワールド」は、シリーズ初となる球体マップで地球を再現。早速、記者も最強キャラクターの「さくま社長」2人を相手に100年プレイし、全駅独占までやり込んでみた。

 今作は世界を舞台にした広大なマップを用意。そのため”移動”にストレスがないようにデザインされていると感じた。サイコロが6個になり3回使用できる「超音速カード」など進行系カードが一新。地球の裏側へ一気に移動するカードなど、30種類の新カード(復刻含む)が収録された。これらのカードパワーが高く、序盤からスムーズな移動が実現した。

 具体的には前作までの「特急周遊カード」(サイコロが3個になり、何回か使用可能)とほぼ同じ効果の「双発プロペラカード」が黄色のカードマスで簡単に手に入ったり、カード売り場駅での価格も比較的お手軽だった。また、サイコロが8個になる「ライトニングカード」をのぞき、前作までの「急行カード」「特急カード」といった一度しか使えない進行系カードは登場しなくなり、カードプールも向上。各プレーヤーが目的地まで向かいやすく、ゲームスピードが上がった印象を受けた。

 物件駅は世界中の366都市が収録された。特定の都市で物件を独占すると仲間になる「歴史ヒーロー」も39種登場。プレイ中は「この都市を独占すれば、きっとゆかりのあるあの人物が出てくるはず」など期待に胸が膨らんだ。初めて知る都市も多く、遊べば遊ぶほど世界各地の名産品や産業、文化や歴史について詳しくなることが実感できた。

 全体としては、”ワールド”ならではのカードやイベントが追加されたことで逆転要素がさらに強くなったと感じた。劣勢になってもいいカードを手に入れれば、挽回のチャンス。これまで同シリーズを遊んだことがないような初心者にも優しく、最後まで楽しむことができると思うので、興味を持った人はぜひプレイしていただきたい。

(よろず~ニュース・松田 和城)

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