参政党が武田邦彦氏を除籍処分 神谷代表、ネットでの党批判に「すべての方が対象」法的措置も

 参政党が27日、国会内での定例会見で、党外部アドバイザーだった武田邦彦氏(80)を11月30日付で除籍処分にしたと発表した。すでに離党した赤尾由美氏(58)、吉野敏明氏(56)とともに、2022年7月10日に投開票された参院選の比例名簿からも削除した。

 党は11月22日の会見で、武田氏が事実と異なる情報を発信したなどとして、アドバイザー辞任と党籍抹消を勧告。1週間以内に辞任届などが提出されない場合は、解任するとしていた。

 この日の会見に出席した、副代表でボードメンバー(役員)の川裕一郎石川県議(52)は「武田邦彦氏に関しては11月30日に除籍処分を行い、総務省に名簿削除依頼を行いました。1週間をめどにということで、前回の記者会見でお話をしまして、1週間経っても返答が無かったので党から除籍処分ということでさせていただきました」と説明した。

 神谷宗幣代表(46)は、ネットを中心に同党への批判が増えてきているとして「注目度は上がっているんですけど、度を超えたものもございます。根拠の無いネットの情報を信じて、それを拡散したり本部に嫌がらせ電話のようなものもある。あまりにも度を超えたものは、法的な対処するということで年内準備し、年明けにいくつか動きを起こしていく」と、法的措置を取るとした。

 参院選では党の5人衆“ゴレンジャー”の一人として、支柱となった武田氏はYouTubeなどで参政党批判を展開。同党から名誉毀損などで刑事告訴され、東京地検特捜部から事情聴取を受け不起訴処分になった立花孝志氏(56)らも“口撃”を強めている。

 神谷氏は、法的措置を取る相手を問われ「すべての方を対象にしている。事実に基づかないうわさで聞いたことや、一部の職員の会話を盗聴し、勝手に流すとか。個人のプライバシーを侵害していたり、誰かがもう特定できない状況での名誉毀損を繰り返しいろんな所からされている」と警告した。

 党として、いわれのない批判や誹謗中傷を無視してきたという神谷氏は「政党としてのレベルが下がると。我々政党が議論するのは政策とかそういうもの。ゴシップ的なもの、言った言わないとか、そういう議論はすべきではないというスタンスだったが、最近組織的に、連動するようにいろんな人たちに言われているので、そろそろ法的な手段を考えていかなきゃいけない」と方針を転換した。

 前代表の松田学氏(66)は「5人でともに頑張って国政政党になり、神谷さんを国会議員に誕生させた。こういう形で5人がバラバラになったのは残念なこと」と“ゴレンジャー”の霧散を心残りとしながらも「参政党はだんだん浸透している。5人の騒ぎがいろいろネットで話題になり、悪名は無名に勝るという面もある。注目されたことも要因かもしれない」と、内紛を前向きにとらえていた。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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