「THE W」決勝で注目の芸歴1年目・はるかぜに告ぐ「M-1」2回戦敗退に「吐くほど泣きました」
来年、飛躍が期待できる女性お笑いコンビといえば「はるかぜに告ぐ」だろう。ヤンキー風のツッコミ&ネタ作り担当・とんずとお嬢さま風のボケ担当・一色といろが織りなす漫才は、女芸人ナンバー1決定戦「THE W 2023」で優勝は逃したものの、芸歴1年目ながら高い評価を得た。注目の2人に、お笑いの道に入ったきっかけ、コンビ結成のエピソード、今後の目標などを聞いた。
とんずは中学生のころに漠然と芸人を目指していた。修学旅行では漫才を披露するなど、お笑い自体は好きだった。一方、といろはお笑い芸人になりたいと思ったことは一度もなかった。大学卒業後は会社勤めもしたが、フリーランスになりたくて最初から2年でやめるつもりだった。
とんず「何が一番、自分が優れているかっていうので、明るい、面白いみたいな。中学の卒業アルバムで面白い人ランキングで上位に入っていました。勉強できる人が東大を目指す、スポーツをできる人がスポーツ選手を目指す、お笑いできる人がお笑いを目指す、感じでした」
といろ「大学時代には留学もしましたし、今までいろいろとやってきたんですけど、刺激が全然、感じられなくて…。もうちょっと刺激的なところに行きたいな、というので、NSCに入りました」
最初のコンビを解散したばかりのとんずが「THE W」に出場するため、ピンで活動していたといろに声をかけて結成。NSCでネタ見せの授業に出るため、ユニットではなくコンビにした。タイプの違う2人は自然とお互いのキャラが確立した。
とんず「衣装は普段着なんですよ。最初はスーツだったんですけど、私服の方が楽やからと出ていたら、『その柄シャツがいい』みたいになって」
といろ「最初、ネタ見せで私が赤のオールインワンのような感じの服で出たとき、スパーマラドーナの武智さんだったと思うんですけど『もうちょっとお嬢さまよりにして、(とんずは)ヤンキー寄りにした方がいい』と言われたのもあって。ピンの時にお嬢さまネタでドレスを着ていたので、変えました」
とんず「もともとキャラというか育ちが違うから、勝手にスカート、白のワンピース、勝手に柄シャツみたいな感じで、自然にうまいこと分かれました」
「THE W」で決勝進出を果たしたのとは対照的に、在学中に3回戦まで進出した「M-1」は2回戦で敗退した。
とんず「ほんまに悔しすぎて、吐くほど泣きました。酒も浴びるように飲みましたね」
といろ「私はお酒は飲まないので。泣いてはいないですけど、残念やとは思いました」
「THE W」ではネタだけでなく、“美女コンビ”とビジュアルも話題になったが、お互いにあまり気にはしていない。直後によしもと漫才劇場のYouTubeでは、とんずのすっぴん動画が出て多くの反響もあった。
といろ「かわいいと言われても別になんとも…。ただ、話題になることはいいことですから」
とんず「『THE W』のときは、広瀬すずに似ている、土屋アンナとか(ネットで)書かれたのに、すっぴんが出た瞬間、(バイキングの)小峠さんって…。まあ、お笑いキャラとしてずっと生きてきたので、面白くないとか面白いとかはマインド的にありますけど、かわいいとか、かわいくないとか言われたとて、あんまり自分のマインドには影響しないですよね」
といろ「私も『チキンラーメンのひよこに似てかわいい』としか言われたことないので」
とんず「かわいいと言われたら、ありがとうとは思いますけど、すっぴんを見てびっくりするなよと(笑)」
芸歴1年目で早くも頭角を現した2人。今後の目標はさまざまだ。
とんず「人生の二大目標は賞レース優勝と、結婚して子供を育てること。賞レースで優勝するために、テレビとかラジオとかは増えているけど、ネタは書き続けていきたいです」
といろ「ベストセラーを出して印税で暮らしたいですね。中小企業診断士の参考書とか。最近、勉強はしていませんが…。もちろん、お笑いとしても成功したいです」
とんず「そのとき、そのときで、お互いに好きなことがやれたらいいなあと思っているので。好きなことができるように売れたいですね」
芸人としてスタートを切ったばかり。多くの目標に向かって、どん欲に突き進んでいく。
◆はるかぜに告ぐ NSC大阪45期生の同期で大阪府出身の一色といろ(26)と兵庫県出身のとんず(25)が在学中の2022年7月19日にコンビ結成。芸歴1年目で「THE W 2023」で決勝進出して注目を集める。
(よろず~ニュース・中江 寿)