A・小猪木らが被災地の輪島で炊き出しと支援物資 厳しい寒さも子どもたちと交流、復興への「ダァー!」
能登半島地震で被災した石川県輪島市。「輪島朝市」や伝統工芸「輪島塗」などで知られる同地は大きな被害を受けている。現地に支援物資を運び、炊き出しや子どもたちと交流した「西口プロレス」のアントニオ小猪木(52)が、よろず~ニュースの取材に対し、現場の状況を報告した。
特定非営利活動法人「博愛プロジェクト」(大関強代表)によるボランティア活動。参加したメンバー約10人のうち、3人はリングで活躍する格闘家の我龍真吾、プロレスラーの矢野啓太、小猪木だった。24日に神奈川・大和からバスで出発し、翌日昼に現地到着。その間、持参したタンクに石川県庁で水を補給し、約400人の避難所となっている輪島中学校に菓子や野菜などの支援物資と共に届け、炊き出しを行った。
現地で寒さが体に染みたという。小猪木は「行きは12-13時間掛かりました。現地に近付くにつれ、テレビで観た光景がリアルに広がっていて、崩れた家や土砂、木々が倒れている光景が目に入ってきました。天候はコロコロと変わっていました。やはり雪や風の影響はすごかったです。数時間というよりも数十分単位で雪が降ったり、ヒョウやアラレが降ったり、少し晴れたり、雨になったり…。寒波のせいで風が冷たかったです」と振り返る。
25日午後1時頃から炊き出しを開始。400人分の焼きそばや白菜のスープなどを振る舞った。小猪木は「外で炊き出しをしたのですが、ボランティアや自衛隊の人たちの方が多くみられ、現地の被災された方々はあまり歩いていませんでした」と証言する。我龍や矢野と共に、夕方まで被災した子どもたちとの交流にも時間を費やした。
「自分はずっと焼きそば作りで、大人とは触れ合えませんでしたが、逆に(大人たちから)『元気ですかー?』と私に声を掛けてくれました。途中で『子どもたちと触れ合ってもらっていいですか?』と被災地支援の方々から言われて遊んできました。女の子が多かったのでバドミントンをしたり、輪投げ大会をしたりしました。男の子とはプロレスごっこをしました。そこで触発された女の子はK-1に出場したこともある我龍真吾からキックを教えてもらったりして触れ合いました。シャイだった子どもたちも最後は目がキラキラしていて、みんなで『1、2、3、ダァーッ!』をしてきました」
26日に帰京した小猪木は「被災地で夕方になると一気に冷え込み、手足の先は霜焼けになりました。ただ、『つらい』とか『寒い』とかは言えません。現地の方々はこのような日々を過ごしているからです。過去にも東北沖地震、東日本大震災、熊本地震、常総市河川氾濫などの現地でのボランティア活動の経験から、皆さんを『元気にしたい!』という思いから、(輪島でも)『大変』とは思わず、あっという間に夕暮れの時間になってしまっていました」と振り返りった。
今後に向け、小猪木は「アントニオ猪木さんの意思を継いで、令和の時代でも『元気』や『闘魂』を継承したい。『終生、大衆のために尽くすこと』を意識して社会貢献できたらと思います」と誓った。
(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)