「田中さん」当事者の日テレ&小学館に「経緯の説明」求める声 脚本家「散々金儲け」「ビジネスの犠牲」指摘
TBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「重版出来!」(ともに2016年)など、原作のある作品を手がけた経験のある脚本家・野木亜紀子氏が5日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」に端を発する原作者と脚本の問題について、日テレと小学館の対応を望んだ。
「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんは1月26日に自身のSNSで、ドラマの脚本が「改変」されていたとし、修正するために苦慮したこと、結果として9、10話については自ら脚本を手がけたと明かしていた。その後、経緯を記したSNSを削除し、同29日に訃報が伝えられた。
「日テレ、小学館、脚本家‥正式な謝罪が未だになされない現実を鑑みると、恣意的な”いじめ”ともとれませんか?」という投稿に対して、野木氏は「いじめなんていう話ではなく、クリエイター個人が、会社同士の原作ビジネスの犠牲になっているという話ではないでしょうか。海猿の佐藤先生のお話も、そういうことだと感じます。」と返答した。出版元である小学館の担当者も厳しい状況であることを認めた上で「両社ともこれ以上不幸が起こらないようにとは考えているだろうし、それは当然と思います。個人の責任を追求するということではなく、条件面での掛け違いがあったのならなぜそうなったのか、経緯説明が必要と感じます。」と、“犯人捜し”ではなく、日テレ、小学館からきちんとした説明があるべきとした。
芦原さんの訃報を受け、日テレは追悼するとともに「原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。」とコメントを発表。小学館も追悼コメントを発表している。野木氏は「どちらも大企業で、原作ビジネスで散々金儲けしておきながら、問題が起きたら個々のクリエイターに責任ぶん投げて終わりなんて、そんなことある?そんなことないと思いたいので、このままなかったことにはしないでもらいたいのです。」と重ねて両社に求めた。
「セクシー田中さん」については、「海猿」の作者・佐藤秀峰氏が実写化された際の体験談を暴露し、ドラマを放送したフジテレビだけでなく主演俳優にも飛び火。また、「日本シナリオ作家協会」が公開したYouTube動画を削除し、炎上するなどさまざまな方面に騒動が広がっている。しかし、当事者である日テレと小学館からは詳細な経緯についての説明は5日午後9時の時点でも出されていない。
(よろず~ニュース編集部)