上映中止の坂口拓「1%er」側が声明 性被害を伝えた人物は名誉毀損で書類送検中、疑惑段階での中傷に苦しむ

 東京・渋谷区の映画館「ユーロスペース」が公開を予定していた映画「1%er ワンパーセンター」の上映中止を決定したことを受け、同映画プロデューサーで、アクション俳優・坂口拓のマネージメントおよび映画制作を行うWiiBER代表取締役の太田誉志氏が4日、同映画の公式サイトで声明を発表した。

 同映画に主演した坂口は、園子温監督が2022年に自身が監督する作品への出演と引き替えに女優らに性的関係を迫ったなどと報じられていた当時、飲み会に女優らを招いて園氏と引き合わせた記事中の「T」だと自ら認めていた。園氏は今年1月31日に公式サイトで「インターネット上の記事を全文削除することを受け入れたことから、裁判上の和解により解決いたしました」と報告していた。

 ユーロスペースでの上映発表後、同映画館スタッフ有志による上映中止もしくは延期を求める文書が映画館の公式X(旧ツイッター)にアップされた。他の映画関係者からもSNSで上映を疑問視する声が相次いだ。

 2日夜に上映中止を発表したユーロスペースの北條誠人支配人は3日夜、同Xに「『1%er ワンパーセンター』の上映中止について」と題した文書を発表。「判断を誤りました」「上映が二次加害を引き起こす可能性がある」「事実がはっきりしないままでの上映が今は許されないと考えた」などと説明した。

 この日、太田氏は「先般発表させていただきました映画『1%er ワンパーセンター』の公開に関してSNS上での様々なお声を目に、耳にしております。しかし、あまりにも実状と異なる声が多く、なによりも我々を信じてくれた方々にご迷惑がかかる状況を避けたく思っております」と切り出し「我々も本作の劇場公開に対し非常に慎重に対応をしておりました。何度も劇場と配給会社とで議論を重ね、弊社所属俳優の性加害疑惑への潔白を証明してから、胸を張って劇場公開することが誠意であり、何よりも本作を楽しみにしていただいている皆様100%楽しんでいただくための唯一の方法であると信じておりました」と、自身の思いをつづった。

 その上で「そして我々は、第三者として公的機関である警察の力も借りることで、その潔白を証明してまいりました。そのため、私自身も所属事務所社長として、本作主演俳優は性加害者ではないと結論づけ、その経緯や内容に関しても、劇場に報告させていただきました。加えて、その過程で、性被害にあった方が複数いるとおっしゃっていた方は、真偽も定かになっていないような情報を発信した事で名誉棄損等で刑事告訴され、現在書類送検中であるということも警察の調査で発覚しました」と経緯を説明した。

 声明では「弊社所属俳優の名誉を守るため、そして”疑惑”段階で生まれてしまう別の形での2次被害者をこれ以上生み出さないための措置も検討しておりました」と明かした。「もちろん被害者の方々の心身の痛みには比べられないものと理解しておりますが、事実ではない発信、誹謗中傷に対し、私達も苦しんでおりました」とし「その理由は私達が発言し、私たちが知る事実を公表することで、性被害者の方への2次被害、および支援者の方々への誹謗中傷につながる可能性があると考え、その結果を恐れてお話をすることができませんでした」と、被害者への配慮を行ってきた点を述べた。

 今後は上映の正当性、坂口の名誉回復を図る考えを示した。「しかし今、私たちや映画だけでなく、私たちを信じてくださった劇場の皆様や関係者の方への誹謗中傷、誤った解釈や憶測が拡がっていることに対して落胆の気持ちとそれだけはあってはならないという強い責任を感じております。そのため、近日中に弊社所属俳優への疑惑が週刊誌に掲載されてからの度重なる劇場公開の中止と延期の経緯、および開示できる限りの調査内容など、今回の一連の経緯などもお伝えできればと考えております」と記した。

 そして「最後になりますが、映画『1%er ワンパーセンター』に関係する各所皆様、劇場の皆様への憶測での発言、性被害者およびその支援者の皆様への誹謗中傷はいかなる形でもお控えいただきたくお願い申し上げます。株式会社WiiBER、所属俳優、そして私自身もエンターテインメント業界に身を置く者として、性加害や性暴力、ハラスメントの根絶を心より願っております。そのために我々ができるかぎりの協力は惜しまぬ所存です」と締めくくった。

(よろず~ニュース編集部)

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