松本人志の文春への巨額損害賠償「認められない可能性高い」北村弁護士が解説「休業宣言」がポイント

 北村晴男弁護士が6日、自身のYouTubeチャンネルに動画を掲載し、ダウンタウン松本人志が、自身の女性問題を報じる「週刊文春」側を提訴した件について取り上げた。「ご自身から休業宣言してますから、莫大な経済的損害の賠償は認められない可能性の方が高いのかな」と語った。

 松本は自身の性加害疑惑を報じた週刊文春の発行元である文藝春秋と、週刊文春編集長に対し、名誉毀損による損害賠償の約5億5000万円と謝罪広告の掲載などを求め、東京地裁に提訴。3月28日に同地裁で第1回口頭弁論が開かれる。

 北村氏は動画内で「週刊誌に対して名誉毀損の不法な報道をなされたことによってテレビに出られなくなった。それによる経済的損害を20億訴えることはできないのですか?」という質問に応じた。

 北村氏は「松本さんのギャランティは我々の想像をはるかに超える高いギャランティ」と予測。「一つの番組に1年間出演すれば、それだけで松本さんが所属する吉本興業の売り上げは数千万から億単位になる可能性はあるんですよね」と切り出した。そして「例えば5年間は確実にこの人は出演できたはず。その5年間出演できなくなったんだということとすると、20億という経済的損害が想定できる可能性は十分あると思います」とした。

 続けて「必ず請求できるかというと、そうでもないんです」とコメント。松本は「裁判に専念するため」に自ら活動を休止した。この点について北村氏は、松本が裁判を起こしても、弁護士に託して、芸能活動を継続することが可能だったと分析した。「『活動休止する必要はありませんよね?』と裁判所から言われる可能性は相当あるんです」と指摘。潔白を主張して訴訟を起こしたのだから芸能活動は継続可能→「『活動休止したのは文春の記事との間で相当因果関係ありませんよね?』というふうに判断される可能性があります」と説明した。「文春側の弁護士は必ずそういう主張をします。『本当に潔白だったら、活動休止する必要ありませんよね』と」と続けた。

 また、スポンサー、テレビ局側の観点からも解説。文春報道や訴訟を理由に番組スポンサーが「その人には出てもらって困る」と主張し、松本がテレビ局側から出演を拒否された場合は「経済的損害として計上する可能性は十分ある」とした。「仮に(報道が)嘘だった場合『その記事が出たから、これだけの莫大な損害をこうむったんだ』という主張が成り立ちうることになります」と続けた。

 ただ、芸能人の人気=収入には不確定要素が多い点が「問題」だと指摘。「文春側の弁護士はどういう主張するかというと、『この記事が出なくても出演できたと言えるのはせいぜい半年です』とか、せいぜい1年、せいぜい2年とか、そういう主張です」と例示した。裁判所側は松本が「確実に稼げた」年数や金額の算出に悩むことになる。北村氏は「これはもう裁判所がエイヤッと判断するしかないです」と指摘。一般の人が交通事故にあって仕事が継続できなくなった際の損害額の算出等とは、次元が異なることを説明した。

 裁判所が、松本が働けたであろう時間を3年、5年といった比較的長い期間認めた場合は「もしかすると10億を超えるような金額になる可能性はあるんですよね」と指摘。その上で「ところが本件では、ご自身から休業宣言してますから、莫大な経済的損害の賠償は認められない可能性の方が高いのかなというふうには思います」と結論を語った。

(よろず~ニュース編集部)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サブカル系最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス