【ガーシー被告これまで】暴露系ユーチューバーから参院議員、容疑者、被告へ…YouTube開設から激動の756日

 YouTubeで芸能人や会社経営者らを脅迫したとして、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)など5つの罪に問われてた前参院議員のガーシー被告(52、本名・東谷義和)の判決公判が14日、東京地裁であった。佐伯恒治裁判長は「脅迫行為に常習性が認められ、社会的評価を低下させることを狙った行為は、卑劣かつ悪質」としながらも「遅まきながら被害者らの傷を理解し、反省の意思を示している。前科もなく、社会的更生は可能」などとして懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。YouTubeチャンネル開設から756日、参院選初当選から613日。暴露系ユーチューバーから参院議員、逃亡者、容疑者、被告…と肩書きを変えた男の激動の日々をまとめた。

【ガーシー被告をめぐる主な経緯】

▼2022年2月17日=YouTubeチャンネル「東谷義和のガーシーch【芸能界の裏側】」を開設、暴露系YouTuberとしての活動を開始

▼2022年2月=大阪府警西淀川署からの着信に気づいたことをきっかけに海外へ渡航

▼2022年4月17日=YouTubeチャンネルの登録者数が100万人を突破

▼2022年5月25日=YouTubeの生配信で、参院選(7月10日投開票)にNHK党から全国比例で立候補することを表明

▼2022年7月10日=参院選で28万7714票を得て初当選。NHK党開票センターとオンラインでつなぎ「国会で寝ている議員を全員たたき起こす」と抱負

▼2022年7月13日=YouTubeチャンネルがアカウント停止に。同月31日に新たなアカウント開設も即BANされる

▼2022年8月3日=この日召集され、初登院となった臨時国会を欠席。7月26日にUAEへの海外渡航届を参院事務局に提出も、8月2日に参院議院運営委員会が却下

▼2022年8月19日=自身の暴露拠点となるオンラインサロン「GASYLE(ガシる)の開設を発表し、23日からプレオープン

▼2022年10月3日=この日召集の臨時国会も欠席。9月30日の参院議院運営委員会で海外渡航届が再び却下

▼2022年12月24日=警視庁が脅迫などの疑いで、ガーシー氏に任意の事情聴取を要請

▼2023年1月11日=警視庁がガーシー氏の関係先を暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)、名誉毀損などの疑いで家宅捜索

▼2023年1月12日=3月上旬に帰国し、国会へ初登院することを自身のSNSで表明

▼2023年1月23日=この日召集の通常国会を欠席。参院議院運営委員会の石井準一委員長が、速やかに登院するよう求める文書をNHK党幹部らに手渡す。海外渡航届が3度目の却下

▼2023年1月30日=尾辻秀久参院議長が、ガーシー氏に7日以内に国会登院を求める「招状」を発出

▼2023年2月8日=参院本会議で尾辻参院議長が、ガーシー氏が「招状」に応じなかったとして、参院懲罰委員会に付託

▼2023年2月21日=参院懲罰委員会が全会一致で「議場での陳謝」の懲罰を科すことを決定

▼2023年2月22日=参院本会議が「議場での陳謝」を科す懲罰を可決

▼2023年2月27日=ガーシー氏が秘書を通じ、参院本会議に出席し「議場での陳謝」に応じる意向を伝える。3月8日の参院本会議が陳謝の場に

▼2023年3月7日=被災地視察のため訪問したトルコから、ガーシー氏が8日の本会議までに帰国しないことを党関係者に伝える

▼2023年3月8日=「議場での陳謝」が行われるはずだった参院本会議を欠席し、懲罰を拒否。尾辻秀久参院議長が再び参院懲罰委員会に付託。同日、NHK党の立花孝志党首が、ガーシー氏の帰国約束が反故されたとして引責辞任。党名も「政治家女子48党」に

▼2023年3月14日=参院懲罰委員会が全会一致で「除名」を決定

▼2023年3月15日=参院本会議で「除名」可決。尾辻秀久参院議長が宣告し、国会議員としての身分を失った

▼2023年3月16日=警視庁が暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉毀損(きそん)などの疑いでガーシー氏の逮捕状を請求し「容疑者」に。ガーシー容疑者はSNSで「一生帰国しません」と、逃亡生活を宣言

▼2023年3月24日=兵庫県内のガーシー容疑者実家に警視庁が家宅捜索。ガーシー容疑者はインスタグラムでの生配信で「オカンだけは勘弁してください」と号泣

▼2023年4月12日=外務省の旅券返納命令に応じ、パスポートを返納したことをSNSで報告。UAEのゴールデンビザ保持か

▼2023年5月22日=ツイキャス、TikTokのアカウントに続き、インスタグラムのアカウントが突然閲覧できなくなる

▼2023年6月4日=成田着のエミレーツ機に一人で搭乗し、帰国の途に。成田空港で警視庁に逮捕される

▼2023年6月9日=接見した弁護士が、ガーシー容疑者の要望で週刊マンガ雑誌3誌を差し入れていることを明かす。糖尿病の薬を服用する同容疑者だが「奇跡的に数値は改善している。体調の悪化は大丈夫」(弁護士)

▼2023年6月23日=東京地検が暴力行為法違反や強要、名誉毀損の罪などで起訴

▼2023年6月24日=SNSで「許さない」との趣旨の発言をして脅したとして、警視庁が証人威迫の疑いで再逮捕

▼2023年7月10日=東京地検が証人威迫の罪で追起訴。弁護人が保釈申請も、東京地裁は12日に保釈申請を却下

▼2023年7月13日=東京地裁が保釈を認めなかった12日の決定を不服として、弁護人が準抗告するも棄却

▼2023年8月3日=弁護人が2回目の保釈申請も、東京地裁は7日に保釈を認めない決定

▼2023年8月14日=勾留先の警視庁湾岸署から東京拘置所へ移送。「10キロやせた」と関係者。初公判が9月19日、東京地裁で開かれることが決まる

▼2023年8月22日=立花孝志氏が10月の衆院長崎4区補選、参院徳島・高知補選へのガーシー被告を擁立する可能性に言及

▼2023年8月25日=3回目の保釈請求も、東京地裁は30日、認めない決定

▼2023年9月5日=総務省と中央選管が、政治家女子48党の「NHKから国民を守る党」への党名変更、代表者変更を認めず。ガーシー被告の補選出馬が難しくなる

▼2023年9月19日=東京地裁での初公判で、起訴内容を認める。弁護側は暴力行為等処罰法違反の罪について、脅迫事実は認めるも常習性について争う姿勢

▼2023年9月21日=4度目の保釈申請を東京地裁が認める。逮捕から109日目での保釈。17~18キロやせる。高橋裕樹弁護士は「基本的には配信やSNSなどについてはタッチをしない」と保釈条件を明かした

▼2023年10月30日=東京地裁で第2回公判。弁護側の情状証人として母親と、元ジャニーズJr.の歌手カウアン・オカモト氏が出廷した。カウアン氏は「恩がある。救われた」

▼2023年12月21日=東京地裁で第3回公判。自身の恫喝スタイルについて「正直しんどかった。気持ちと一致していなかった」と、提案されたキャラを演じていたこと主張。逮捕されるまで帰国しなかった理由について「懸賞金が懸けられていた」

▼2023年12月28日=高橋裕樹弁護士のYouTubeを通じて被害者に公開謝罪。暴露動画の拡散禁止訴え「ほんまにやめてくれ」

▼2024年2月8日=東京地裁で論告求刑公判。検察側は「執拗な暴露、誹謗中傷を行った」などとして、懲役4年を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求め結審した。被害者の俳優・綾野剛の陳述文が読み上げられる

▼2024年3月14日=東京地裁での判決公判で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が言い渡される

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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