宝塚歌劇団パワハラ 阪急・劇団側が機関誌や「証拠があるなら-」発言、ヘラヘラ会見を謝罪 遺族側代理人明かす
宝塚歌劇団宙(そら)組の俳優女性(当時25)が2023年9月に転落死した問題で、遺族側代理人の川人博、井上耕史両弁護士が28日、都内で会見を開き、遺族と阪急阪神ホールディングス株式会社(HD)、阪急電鉄、宝塚歌劇団(阪急・劇団側)が同日、大阪市内のホテルで合意書を締結したと発表した。
川人氏は、阪急・劇団側が遺族が主張していた15項目のパワハラのうち、整理した14項目について概ね認めたことを明かした。阪急HDの角和夫会長が合意書調印の場に出席し遺族に謝罪したこと、パワハラの加害者とされる10人のうち6人が直筆の謝罪文を提出したことを挙げ「意義は大きい。十分満足するものではないが、遺族が求める最低限のところは認めたというラインに達したので、本日の合意に至った」と述べた。
遺族側代理人は、2023年10月19日に発行された宝塚歌劇団の機関誌「宝塚GRAPH(グラフ)」11月号の記事が、遺族の心情を著しく傷つけたとして、同誌発行元で阪急電鉄の100%子会社である宝塚クリエイティブアーツ社と、阪急・劇団側が「被災者を悼む気持ちを持っていない行為であり、被災者・ご遺族を冒とくするものであった」とする謝罪文を遺族に提出したことを明らかにした。
同誌では、死亡した女性にヘアアイロンでやけどさせた宙組の上級生がインタビュー記事に登場。稽古へ出発する際の荷物について「ヘアアイロンを持っていこうかな」「絆創膏など、欲しくなるかもしれないものが沢山入っています(笑)」と発言、寄稿している。
川人氏は、阪急・劇団側との6回の交渉の中で、歌劇団の村上浩爾(こうじ)理事長が2023年11月の会見で「証拠があるなら是非、お見せいただきたい」と発言したことに「あの発言は大変問題で、申し訳ないということがこれまで、繰り返してありました」と明かした。
また、川人氏は「女性が亡くなってから1週間か10日ぐらいの段階で、劇団幹部の人が何かニヤニヤ笑いながら会見をしたようなことがあった。それは極めて不謹慎だていうことについて強く抗議したんですが、その辺についても大変申し訳ないということで明確に謝罪があった。ひどい内容はいっぱいあったことについてはその都度、謝罪を受けている」と説明した。
(よろず~ニュース・杉田 康人)